和泊町・ゆかりの地巡る

西郷隆盛ゆかりの地を巡る参加者ら

0924西郷南洲まちあるきガイド養成講座②
ガイドコースに入った土持政照の墓(許可を得て撮影)=いずれも和泊町=

西郷南洲まちあるきガイド養成講座

 

土持政照の墓もコースに

 

 【沖永良部】西郷南洲まちあるきガイド養成講座(和泊町主催)が24日、同町であった。受講生や地元児童ら約20人が参加。南洲神社や西郷ソテツのほか、西郷隆盛と義兄弟の契りを交わした土持政照の墓など9カ所を巡った。

 2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映を受け、町内にある西郷ゆかりのスポットを案内するガイドを養成しようと開設。7月に始まり今回3回目となる。

 同町西郷南洲記念館職員の宗淳さんが講師を務め、南洲神社では「全国に同じ名前の神社が5カ所ある」、西郷ソテツでは「座敷牢ができるまで土持の家で過ごした西郷は、このソテツを見て心を癒した」などと説明。約1・5㌔のコースを1時間30分かけて歩いた。

 最後に土持政照の墓を訪れた参加者は、墓に向かって全員で手を合わせた。

 和泊小6年の脇山茉莉亜さん(12)は「西郷について自由研究で調べたこともあったが、実際に歩いてみると知らないことが多かった。私もガイドが出来るようになりたい」と話した。

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 島役人の土持政照は、吹きさらしの牢に入り死の寸前まで追い込まれた西郷を救った人物とされる。

 和泊西郷南洲顕彰会が発行した本『えらぶの西郷さん』によると、西郷は土持のことを「命の恩人」と感謝し、土持とその母・鶴の前で「私と政照さんに兄弟の約束をさせてください」と頼んだという。

 西郷の義兄弟となった土持の墓は、これまで所在が判明しておらず、同顕彰会のメンバー間でも「鹿児島にあるのでは」と考えられていた。

 昨年顕彰会は、島外在住で土持の直系の子孫が来島した際に、和泊集落の共同墓地にある土持の墓の場所を確認した。その後も子孫と親交を深め、墓をガイドコースに加えることができた。

 記念館職員の宗さんは「土持がいなければ、『敬天愛人』の精神は生まれていなかったかもしれない。沖永良部の西郷を知ってもらうためにも土持は欠かせない人物だ」と話した。