「スズガモ」危機一髪

ネコに襲われたところを保護されたスズガモ

ネコに襲われたところ救われる
奄美では数少ない冬鳥

龍郷町で冬鳥のスズガモ(メス)がネコに襲われているのが確認された。ネコをはらってスズガモを保護したという龍郷町の宇都宮英之さんは「最初はケナガネズミが襲われているのかと思ったので、慌ててネコを追いはらったが、助けてみたらくちばしがあったので驚いた。襲われてすぐだったようで、ケガもなくよかった」と話しており、保護した翌日には野生に戻ったという。

『奄美の野鳥図鑑』(NPO法人奄美野鳥の会編)によると、スズガモはカモ目カモ科で、中型の海ガモの仲間。オスは頭が緑色光沢のある黒色で、くちばしは鉛色。メスは全身が黒褐色で、背と脇は淡色。国内での繁殖記録はなく、冬鳥として全国の内湾や河口、入り江などに多数渡来するという。同NPOの鳥飼久裕会長は「すごく珍しい鳥というわけではないが、奄美では数の少ない冬鳥。ネコから守ってもらえてありがたい」と話した。

宇都宮さんがスズガモを保護したのは7日の夕方過ぎ。薄暗い中、ネコが何かを襲っているのを発見したという。「初めて見た鳥だったので種類がわからなかった。見つけた場所は農道や山に近く、水があるような場所でもないので、なぜそこにいたのかはわからない。たまたま落ちたのかもしれない」と語った。