高砂親方(元大関朝潮)と朝ノ島・徳之島入り

高砂親方(元大関朝潮)と朝ノ島・徳之島入り

先々代親方(元横綱朝汐)の墓にも参拝した高砂親方夫妻と朝ノ島(中央)=25日、徳之島町井之川

元師匠への墓参も
「懐かしい」住民らと交流

【徳之島】大相撲高砂部屋の第7代高砂浦五郎親方(元大関朝潮)夫妻が24―25日、先の九州場所で勝ち越しを決めた序二段朝ノ島(本名・澤保幸、26)=徳之島町大原出身=とともに徳之島入り。元師匠で恩人の第5代高砂親方(第46代横綱朝汐太郎)=同町井之川=の分骨を納めた先祖代々の墓で手を合わせたほか、相撲スポーツ少年団員とのふれあいや住民らと旧交も温めた。

高砂親方の訪問は、元師匠(5代親方・元横綱朝汐)の生家近くの高砂部屋徳之島道場(井之川)に一門の若手力士を率いた合宿以来14年ぶり。今回の目的は「新弟子のスカウト」ときっぱり。徳之島相撲クラブ(吉健俉監督)所属で全国少年相撲大会でも活躍し、恵まれた体格面(189㌢、125㌔)からも注目されている徳之島町立東天城中3年生、徳田龍大郎君(15)=がターゲットのよう。

親方一行は空路到着後の24日夕、同相撲クラブ練習場も訪問して小・中学生力士の約10人を激励。夜は徳之島相撲連盟(盛本克彦会長)主催、井之川集落(松本九久区長)協力による歓迎会も同地区公民館であり住民ら約百人が参加して歓迎。1962年の引退まで優勝5回、殊勲賞4回、日本相撲協会理事(審判部長や巡業部長)も務めた先々代親方の思い出話も交え交流。

また、2005年の高砂入門直後に病魔に襲われて4年間休場後、再起を果たした朝ノ島(亀津中出身)には温かい激励のエールが送られた。

親方は「徳之島には親父(先々代親方)の分骨や銅像建立の時も来た。私が高砂(若松部屋と合併)になって合宿に来て以来14年ぶり。住民の皆さんはお名前は分からなかったが懐かしい。親父の墓参は東京のお墓(港区麻布)には正月やお盆に年2、3回参っている。朝ノ島には無理をしてけがをしないで頑張って欲しい」。

朝ノ島は「約4年間の休場で『料理の世界へ』の話もあったが体調が戻ってきた。少しずつ相撲を取り出して今こうやって頑張っているって感じ。病気で親方とおかみさんには迷惑を掛けているので、まずはけがをしないように、勝つのが一番と思う」。ふるさとには「ある意味何も変わってないのでホッとしています。体も心も癒され、また頑張ろうという気持ちになる。後輩たちも大相撲に少しでも入って欲しい。入るならゆかりのある高砂部屋へ」とPRも忘れなかった。