ICT利活用授業

ICTを利活用した複式学級の公開授業=28日、徳之島町母間小

徳之島町 母間小で研究公開
複式学級に効果大

 【徳之島】徳之島町教育委員会のICT(情報通信技術)研究協力校として2014年度からタブレット端末を使った授業や家庭学習の定着など研究に取り組む同町立母間小学校(福宏人校長・児童数30人)で28日、ICT利活用による授業改善など公開研究会があった。「児童たちの授業への興味・関心が高まった」「複式学級では大変効果的」など成果が報告された。

 複式・少人数学級の授業改善などを目指す町教委のICT研究協力校(14、15年度)として、タブレット端末や大型テレビ(電子黒板)など機器を導入して推進。15年度からはほか県教委同協力校(3年間)やパナソニック教育財団実践研究助成校、文部科学省「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」実証研究校の指定も受けている。

 公開研究会の研究主題は「予習型学習による、少人数・複式学級における授業改善~ICTの利活用を通して~」。島内小の関係者ら約60人が参加。研究発表に続き2年生と5・6年生(複式)2学級がそれぞれ算数科の授業を公開。両分科会(授業研究)、全体会があった。

 研究発表では、児童の主体的学習サイクル・予習を起点とした学び方への「予習型復習」、少人数・複式学級のよさを生かす「少人数・複式学級学習指導における授業改善」を主題とした研究の実際を解説。ICT機器の職員研修に始まり、授業支援ソフト・デジタル教科書・算数科学習ソフトの充実、家庭との連携―など2年間の取り組みと成果・課題なども示した。

 うちICT授業の成果には、「児童の興味や関心を高めることができた」「予習型学習スタイルが身に付いてきた」「練習問題は子ども自身で丸付け(採点)ができ、複式学級で大変効果的」「つまずいた問題がひと目で分かり、それに応じた授業展開ができた」など紹介。

 課題には、「タブレット端末のダウンや通信トラブルなどが頻繁に起き、授業が妨げられることが多かった」「ハード面整備が先行、学習ソフトやデジタル教科書などソフト面の運用が遅れた」「児童の発達段階や障害の状況、特性などに即した指導が必要」などを挙げていた。