世界自然遺産科学委員会

奄美市名瀬の奄美観光ホテルで行われた奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会の第1回会議

奄美大島・徳之島の推薦区域案示す
11月中の推薦書暫定版提出へ
奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会(委員長・土屋誠琉球大学名誉教授)の2016年度第1回会議が2日、奄美市名瀬の奄美観光ホテルであった。奄美群島の国立公園指定に向けたパブリックコメントがスタートしたことにより、奄美大島と徳之島の推薦区域が初めて示され、11月中の推薦書暫定版提出を明言。また、これまで「奄美・琉球世界自然遺産」としていた名称を、暫定リスト(2月1日付で登録)と合わせた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産」に変更することに同意した。

今回、奄美大島と徳之島の推薦区域が示されたことにより、初めて四島すべての推薦区域がそろったことになる。奄美大島と徳之島の推薦区域は、国立公園の特別保護区域と第一種特別区域(1万3988㌶)の中から選出。今後、国立公園指定に伴い調整はあるものの、2月の本提出では面積まで含めて推薦区域を決定するとしている。

会議では委員から推薦区域や推薦書に対する意見を収集。緩衝地帯がない推薦地への対応や、徳之島など島内で推薦地が離れている地域、国立公園では第一種特別地域に指定されているものの、推薦地からは外れた奄美北部などに対する意見や質問などが挙がった。委員らの意見は、暫定版提出までに繁栄できるものは盛り込む予定という。

会議を終えた土屋委員長は「ユネスコの人にすばらしいと言われるような推薦書にしたい。この自然遺産登録は、当初から登録される可能性が一番あると言われていた地域。最初の頃の意欲を掘り起こして努力していきたい」と語った。

今後のスケジュールでは、ユネスコ世界遺産センターへの推薦書暫定版の提出を11月中としており、来年2月1日までの推薦書提出、同年夏頃の現地調査を予定。18年6、7月頃の登録を目指す。

環境省那覇自然環境事務所の西村学所長は「短い期間の中、何とか2月の推薦書提出に間に合わせる予定。今回の登録は地域全体がどう遺産を守るのかが鍵になる。住民の登録への大きな期待も感じているので、作業期間は短いがスピードアップを図っていきたい」と語った。