関係17団体が集まって開催された世界自然遺産候補地地域連絡会議
【鹿児島】世界自然遺産登録を目指す奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の候補地地域連絡会議が27日、鹿児島市の城山観光ホテルであった。環境省、林野庁をはじめ、奄美市、大和村、徳之島町など候補地となる奄美群島と沖縄の12市町村の首長ら、自然遺産の管理機関となる17団体の関係者らが参加。
4島それぞれで行われた部会の内容をふまえ、今後の取り組みの進め方などについて話し合った。
政府が提出するユネスコへの推薦書の添付資料として、4島共通の包括的管理計画案と地域別の行動計画案を確認した。奄美群島に関してはアマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミなど絶滅の恐れのある希少動物の保護・増殖事業や交通事故対策、ノネコ対策などの外来種による影響の排除、低減などが行動計画案に盛り込まれている。
科学委員会の副委員長で奄美ワーキンググループの座長を務める米田健・鹿児島大名誉教授は「人里に近いところで素晴らしい自然が残されている」点を強調し「この地域が自然遺産に登録されることは、先駆的な取り組みを世界に紹介することにつながる」と期待を寄せた。
「ようやくここまできた喜びと同時に緊張感がある」と奄美市の朝山毅市長。大和村の伊集院幼村長、宇検村の元田信有村長、瀬戸内町の鎌田愛人町長、龍郷町の徳田康光町長は「互いに連携しながら、地域住民の意識を高め、地元がどう行動していくかが大事」と話した。
世界自然遺産登録に向けての今後のスケジュールは、来年2月1日までにユネスコ世界自然遺産センターへ推薦書を提出。夏頃に世界遺産委員会諮問機関(IUCN)による現地調査があり、18年夏頃、世界遺産委員会において記載の可否が審議される。