トップセールスで大和村産発信

例年2回、交流自治体の神奈川県大和市で開かれる催事では、伊集院村長(右から2番目)のトップセールスを展開している(2月18日)=提供写真=

「大和まほろば館」で販売されているタンカンの加工商品、増量した「たんかんマーマレード、360㌘」(前列両端)が9日から新商品として並んだ

豊作のタンカン、販路拡大へ活動
加工品開発も促進 近く新メニュー

現在、出荷シーズンを迎えているタンカン。豊作となった今季、先月1日には各地ではさみ入れ式も行われ、生産農家など関係者から、2年ぶりの島外出荷を喜ぶ声が多く聞かれた。一方で、地元市場では価格の低迷が続いている。奄美大島の生産地の一つ、大和村ではスモモに次ぐ特産果樹に位置付けられ、交流自治体の神奈川県大和市で例年開かれる催事には、伊集院幼村長も出向き、トップセールで大和村産のタンカンを発信。また、加工品の開発にも力を入れ、新メニューの発売も近く予定するなど、販路拡大に向けた活動が続けられている。

昨年は、ミカンコミバエ種群の発生に伴い、一部地域を除き、島外出荷が禁じられるなど、苦難のシーズンとなったが、今季産は、例年以上の収穫量が見込まれ、「昨年は、加工品に使う原料が足りない場面もみられたが、今年は大丈夫そう」と担当者(村産業振興課)も胸をなでおろす。

村では、タンカンの島外に向けたPR活動の一環として、例年2回神奈川県の大和市で開催されているイベントにブースを出展。大和市と同村は、同じ「やまと」の名が付く自治体としても、これまで交流を続けており、例年同市の大和駅前で、秋頃に開かれる「うまいもの市」と、2月頃にある「骨董市」でタンカンを発信。今年も2月18日に参加し、約1㌧を完売させた。「『今年も待ってた』と言ってくれる人もたくさんいて、食いつきが良かった。定着している」(同課担当者)と手ごたえを語った。

また、東京都板橋区の商店街で開かれる「さくらまつり」(3月9日)に初めて出品。さらなる販路拡大を目指している。

村の農産物の販売拠点にと、2011年に村営の「大和まほろば館」がオープン。店内には、地元農家が持ち込む新鮮野菜などのほか、特産果樹のスモモやタンカンの入った加工商品も並ぶ。

同施設は加工場も併設し、有志らで組織する「まほろば大和生活研究グループ」(泉美保子代表)などが関連商品の製造や開発を行っており、タンカンを使った新メニューが近く発売される予定だという。

16年度現在、大和村内のタンカン農家(村果樹振興会所属)は52人、栽培面積は18㌶。同課担当者は「新規就農者を見込むなどタンカン生産も定着してきている。『大和村産の美味しいタンカン』として、村の代表特産物のPRを継続していきたい」と話した。