瀬戸内町西古見で完成式典

2016年度振興推進事業で、瀬戸内町西古見集落にある「朝虎松の碑」の周辺が整備され、完成式典が開かれた

カツオ漁業の創始者「朝虎松の碑」周辺整備
スロープに案内板も

奄美大島でカツオ漁業を最初に興したとされる、朝虎松を顕彰する「朝虎松の碑」=瀬戸内町西古見集落=の周辺整備で、このほどスロープが設置された。完成式典が30日にあり、来賓、地域住民など約50人が出席。約6㍍の高台まで歩く際の負担軽減や安全性の向上などを喜んだ。サンゴの石垣や三連立神などの景勝地を紹介する案内板が同時に併設され、観光客などの来訪促進にも期待を寄せた。

式で、同町の鎌田愛人町長があいさつし「観光客などが安心・安全に訪れることができ、集落内の他の観光スポットに加えて見どころが増え、町の観光振興にもつながるものと期待している」と祝った。

碑は1914年に建立。「虎松の業績と人柄をしのんで、大正3年に西古見の高台に記念碑が建てられた。彼に厚い信頼をおいた大島水産組合一同の手によるもの」(瀬戸内町立図書館・郷土館ホームページ)だという。

地上からの高さ約6㍍の高台に碑はあり、建立時に上がるための石段が設置されたが、段差(40㌢)が急だった点などを踏まえ、安全性の向上も合わせて、周辺の整備が期待されていた。2016年度振興推進事業、県から450万円の補助を受け費用は1120万円。一部スロープ造り(34㍍)、顕彰碑までの緩やかな階段(長さ8㍍)、転落防止柵(手すり兼用)のほか、「ナハンマ公園」「旧日本軍観測所跡」など近隣の観光スポットの案内板も設置された。

同集落の宮原仲清区長(67)は「集落の人たちの願いだった。鰹漁業の創始者と言われる人。これを機に多くの人に人物を知ってもらいたい。定期的に清掃も行い、見やすい環境を保つようにしていきたい」と話した。