「コウノトリ兄弟」2羽徳之島に初飛来

コウノトリ2羽の初飛来を確認=4日午後4時半ごろ、天城町浅間(山田文彦さん提供)

コウノトリ足環
人工ふ化のコウノトリ兄弟を示す標識(足環)

天城町の山田さん撮影

 【徳之島】2013年6月に兵庫県豊中市の人工巣棟を巣立った国の特別天然記念物コウノトリ。うち1羽は14年3月以降天城町の「徳之島子宝空港」沿いの干潟を中心に〝留鳥状態〟となっている。ところが4日夕、その兄弟鳥2羽がそろって飛来する姿が同町で初確認された。

 4日午後4時ごろ、天城町松原で農作業中の住民が、上空を優雅に飛ぶ2羽を見つけた。連絡を受けて探索した同町浅間在住の動物写真家山田文彦さん(51)が、被写体を諦めかけたころ、北中学校付近(浅間)の上空に舞い上がった2羽を写真に収めた。

 兵庫県立コウノトリの郷公園が付けた標識(足環)を画像照合の結果、徳之島を中心に丸3年間留まり続けている個体(識別番号J0066)と、13年12月以降奄美大島や喜界島で確認されている兄弟個体(同J0067)との2羽と判明。今回、徳之島初飛来が確認されたJ0067は直近情報では先月26日、喜界島で確認されているという。

 初飛来による〝兄弟合流〟の背景に「時期的にヘビやウナギ、カエルといったエサが少なくなったり、観察者たちの影響も考えられる」と山田さん。天城町総合運動公園内の野鳥観察台(トリトリデッキ)からの名物に定着しているコウノトリだが、「そろそろメスとの出会い繁殖を求めて故郷(兵庫県)への渡りの時期に入るかも。子宝の島から帰った後は、子を連れてきて欲しい」とにっこり。