日本橋で黒糖焼酎と奄美料理楽しむ会

黒糖焼酎に酔いしれ、料理を堪能する参加者たち

奄美料理
ぞうさんこと、料理研究家・石田幸三さんによって用意された心のこもった料理

南国の自然の恵みに酔う

【東京】日本橋の「ギャラリーキッチンKIWI」でこのほど、「弥生焼酎と奄美料理を楽しむ会」が開催された。女性客や若い世代の人たちが黒糖焼酎と、絶品の奄美料理を堪能。南国の自然の恵みに、参加者たちは時間を忘れるほど酔いしれていた。

5月9日、10日が「奄美黒糖の日」に制定されて10周年の今年、屋仁川で14日に「さたぜぇいないとふぇすてぃバル」が開催されるが、それを東京や大阪でも盛り上げていきたいと考えられて企画された。歴史ある蔵元、弥生焼酎醸造所の若き4代目・川崎洋之さんが中心となった。焼酎と料理を味わう催しは、昨年7月に続いてのもの。

今回も川崎さんの大島高校の同級生・栗原由里さんと福田拓規さんがサポート、後輩の森山大地さんも手伝い、「ぞうさんのお台所」で知られる料理研究家・石田幸三さんが腕を振るった。ぞうさん(石田さん)は奄美出身ではないが、川崎さんとツイッターでのつながり。一番こだわったのは、やはり鶏飯。「お酒を飲んだ後に召し上がることを考えて、油を感じさせないクリアでさっぱりしたスープにこだわった」という。

川崎さんはプロジェクターを用いて、黒糖焼酎の出来上がる工程や歴史などについて解説。黒糖黒糖焼酎を生んだ奄美の豊かな自然にも触れた。用意された黒糖焼酎は、「弥生」の25度(白麹・常圧蒸留・タンク貯蔵)や「まんこい」の30度のほか、黒糖焼酎の日に合わせて出す夏向けの「碧い海」20度など8種類。フェースブックやツイッターにより、集まった22人がグラスを傾けながら聞き入った。

奄美出身者はたった1人、 奄美を訪れたことのある人も4人。「多くの奄美以外の人に黒糖焼酎と奄美料理がPRできました」。スタッフは満足げな表情で語った。ある女性客は、「黒糖は甘いイメージがありましたが、すっきりして、普段焼酎を飲まないのにいけました」と頬を染めながら話した。

「ギャラリーキッチンKIWI」は、キッチンを備えた多目的スペース。研究者の実験、落語の高座も開かれている。落語を通じた人脈でこの場を提供してもらった川崎さんは、大島高校から東京農工大大学院を経て、医療用フィルターの研究員に。製薬会社で勤務していたが「故郷を離れて奄美の焼酎や自然の素晴らしさを知った」ことなどを機に、2007年に実家を継いでいる。