牧岡奈美さん、茅ケ崎でライブ

熱気あふれるライブ会場には、奄美の風が吹き付けたよう

シマ唄を丁寧に説明しながら、演奏を披露する牧岡奈美さん。右は応援に駆け付けた東郷さやかさん


熱気あふれるライブ会場には、奄美の風が吹き付けたよう

「喜界島で歌ったよう」

【東京】「みんなで一緒にシマ唄を残していきましょう!」。喜界島出身の唄者・牧岡奈美さんは、後生へ残せる奄美民謡を作りたいとクラウドファンディングのプロジェクトを成立させた。その活動の一環として、先ごろ神奈川・茅ヶ崎でライブを開催。集まったたくさんの人たちと、シマ唄を通して絆を深めていた。

茅ヶ崎の「ハスキーズギャラリー」で行われたライブに、牧岡さんは大島紬姿で登場。まずはこの日の出会いを祝って「朝花節」を披露。関東周辺や喜界島から集った会場いっぱいの40人を前に、満面の笑顔であいさつした。続いて「曲がりょ高頂」「諸鈍長浜」などのシマ唄を、唄の成り立ちなどの背景を説明しながら熱唱。中には、故郷を思い浮かべるように目を閉じて聞き入る人の姿も。
 
ライブは休憩を挟んでの2部構成。「喜界やよい島」「行きゅんにゃ加那」などシマ唄のほか、「糸」(中島みゆき)「愛燦燦」(美空ひばり)などのカバー曲や、オリジナルの「南ぬ風」などで熱気あふれる会場に歌声を響かせた。そこは唄遊びの雰囲気が漂い、まるで奄美の風が吹いたよう。お囃子には、安田民謡教室の後輩、東郷さやかさんが駆け付けた。

最後は、「ワイド節」「六調」で総立ちのまま終了した。全15曲の熱いライブを終えた牧岡さんは、「喜界島で歌ったようでした。みなさまの笑顔がたくさん見られて本当にうれしかった。これからも故郷を想いながら、応援してくれる、そして支えてくれる方々へ恩返しができるように、唄い続けていきたい」と満足そうに振り返った。

伝統的な無形文化、奄美のシマ唄を次世代へ継承していくべく、クラウドファンディングに取り組む牧岡さんは、今回の支援者たちに贈るCDを7月に制作する。また、7月2日に調布グリーンホールで行われる「琉美創舞」に出演、14日には品川区五反田の沖縄料理店「結まーる」でライブを予定している。