発見された「アマミツヤナガヒラタホソカタムシ」(=青木名誉教授提供)
奄美大島で西さん採取の甲虫
奄美の自然「未解明で魅力的」
奄美市名瀬在住の昆虫愛好家・西真弘さん(45)が発見した甲虫がこのほど、ホソカタムシ類の新種であると認定された。6月発行の日本甲虫学会誌で発表され和名「アマミツヤナガヒラタホソカタムシ」(学名Pycnomerus nishii Aoki,2017)と命名された。
西さんによると、奄美大島中南部で2014、15年にかけて採取した昆虫を三重県の研究者を通じてホソカタムシ類の大家である横浜国立大学の青木淳一名誉教授(82)に調査を依頼。青木名誉教授が、標本資料を解剖して後翅や目の形状から新種と判断し、論文にまとめて他の新種2種と合わせて学会誌に掲載した。
新種はホソカタムシ類に属し、体長が2・7㍉。枯れ木で生息している。
青木名誉教授は「新種は、ツチホソカタムシとツヤナガヒラタホソカタムシの両種の中間的な種」と指摘。枯れ木にいるツヤナガヒラタホソカタムシと、落ち葉の下で生活するツチホソカタムシの両方の種に似た特徴を持つとした。
青木名誉教授は「新種の色はつやはなく鈍くて、体は厚ぼったく、尻に向けて先端部は狭まる形状。目が小さいがツチホソカタムシよりは大きい」と指摘する。
西さんは、今回を含め新種の発見は3度目。世界自然遺産登録を目指す奄美について、「一般的には自然の固有性が高いと言われるが、奄美はまだ分かっていない領域が多く、そこに魅力を感じる」「これからも昆虫の新種がたくさん見つかるだろう」と今後の発見に意欲を見せた。