奄振アンケート調査結果

交付金活用施策 交通運賃軽減の満足度高く

 

観光客リピート希望97%

 

世界遺産「住民の自然保護意識重要」

 

 県や奄美群島市町村で構成する企画調整会議が奄美群島振興開発総合調査の一環で実施した「奄美群島振興開発アンケート」の調査報告書が6日までにまとまった。今回から新設された奄美群島振興交付金を活用した各施策(条件不利性の改善等)の満足度を図る設問では、交通運賃の軽減の満足度が高かった。

 アンケート調査は、奄美群島の在住者や群島出身者などを対象に、奄美の魅力や定住・帰島意向、奄美群島振興開発事業の評価や期待。また群島内事業所を対象に、産業振興策に対する意向などを調査・分析し、今後の振興開発の方向・方策の検討に役立てようと行ったもの。

 今年6~7月に、在住者や出身者、来訪者、高校生・専門学校生、事業所を対象に実施、3599件(回答率55・7%)の回答を得た。

 調査結果をみると、▽今後の問題点については、人口の減少、少子・高齢化の進行、輸送コストの高さを挙げる意見が多かった▽奄振特措法の必要性は「国の特別措置が必要」との意見は在住者(85・6%)、出身者(80・4%)、高校生等(66・6%)となった▽島の魅力は在住者、出身者は「ゆったりとした気持ちで暮らせる」が、高校生等は「豊かな自然に恵まれている」の回答が最も多かった。

 「産業の振興」では、在住者が島の振興に今後、最も重点を置くべきとした産業は「亜熱帯気候を生かした園芸農業(花・果樹・野菜)」(56%)が最多。出身者、高校生等、事業所では、「観光関連産業」とする意見が最も多かった。

 今回の調査から新設された「奄美群島振興交付金を活用した施策の満足度」をみる設問では、在住者では全ての事業で不満足より満足の方が高い結果となった。中でも「航路運賃の軽減」、「航空運賃の軽減」について満足度が高かった。

 奄美群島振興開発事業の満足度について、在住者は「保健医療体制の総合的整備」、「健康づくりの推進」の満足度が高い結果となった。一方で「物価の軽減」については、満足度が低かったとした。

 また「世界自然遺産登録を目指すために重点を置くべきこと」の設問には、在住者(回答者1589人)は、「住民一人ひとりが自然を保護する意識を持つこと」(50・2%)で最も多かった。出身者(同147人)でも41・5%、高校生等(同926人)は34・4%と回答の中で最多であった。

 このほか、「再訪意向」は観光客の97%がリピートを希望。「帰島意向」は在住者の81・2%が「島内に住み続けたい」と回答し、出身者の53・1%が「群島内で暮らしたい」と答え定住・帰島意向が高いとした。

 将来なって欲しい島の姿について、奄美大島と与論島は「豊かな自然に恵まれた島」とする意見が最も多い。徳之島、沖永良部島では、「温暖な気候を生かした農業の島」が、喜界島では、「医療や福祉が充実した子育て・高齢者にやさしい島」とする意見が最多となった。