保守分裂など多数激戦へ

電話応対に追われる2区候補予定者の事務所(一部加工しています)

鹿児島2区 公示直前、対応に追われる4陣営

 

 9月28日の解散に伴う第48回衆院総選挙は10日公示され、22日投開票まで12日間の戦いに突入する。奄美群島を含む鹿児島2区では、自民前職の金子万寿夫氏(70)=当選2回=、希望の党新人の斉藤佳代氏(38)、共産新人の祝迫光治氏(74)、無所属新人の林健二氏(40)の4人が立候補予定者に名乗りを上げている。自民前職と同党を離党した無所属の元県議(大島郡区)との保守分裂の構図が注目を集めているほか、安倍政権の一強体制に「NO」を突き付ける希望、共産の各陣営も動きを活発化。大義なき解散と指摘される今回の選挙戦は多数激戦となる様相だ。公示前日の9日、鹿児島市内の後援会事務所では、支援者へのあいさつ回りや選挙期間中の日程調整などに追われた。

 【金子氏陣営】同市東谷山の事務所では、電話応対のほか、支持者やマスコミ取材の対応などに追われていた。

 事務所関係者は「広くなった選挙区を地道に粛々と支持を訴えていく」と今後の抱負を語った。元県議との対決構図については「対立的な戦いは視野に入れず、2期務めた実績を有権者が受け止めていただければ、結果はついてくるものと考える」と強調。政策重視で支持を訴えていく構えを示した。

 第一声の出陣式は、午前9時から同市卸本町のオロシティホールで。当日は指宿市、南九州市、枕崎市、南さつま市での街頭演説を予定している。

 【斉籐氏陣営】同市小松原の事務所では、電話や支持者などの来客対応に追われつつ、公示に向けた準備作業を進めていた。

 同事務所の選挙対策事務局の伊地知紘徳次長(民進党・県総支部連合会幹事長)は、「全く未知数だが、ぶっつけ本番でやりきるしかない。女性候補と若さを武器として、農業振興と子育て支援をしっかり訴えて浸透していけば結果は自ずと出るだろう」と気を引き締める。

 伊地知氏は、「もう少し時間があれば、2区内を回れる。知名度などハンデがあるが、旧2区から拡大した南薩地区についても遊説していく」とした。

 第一声の出陣式は午前9時から、同市小松原の選挙事務所前で開かれる。

 【祝迫氏陣営】同市谷山中央の事務所では、訪れた支持者や取材陣の対応をしたほか、山積みされたポスターやチラシの配布準備するスタッフで慌ただしい雰囲気に包まれていた。

 同党鹿児島地区副委員の桂田美智子事務局長は「野党共闘による安倍政権を倒す戦い。短い期間の中、どれだけ準備を整えるかが重要。選挙区全域でどれだけ支持を広げていけるかが鍵」と今回の選挙戦の展開を占う。

 さらに社民など支持団体との連携を強調し、「政策論争で憲法を破壊する現政権との対決に勝利したい」と意気込む。

 第一声の出陣式は午前9時から同市谷山中央の谷山第一中央公園。同市内の谷山、喜入地区での街頭演説も行う。

 【林氏陣営】同市谷山中央の事務所、10人ほどのスタッフらが、マスコミへの対応や電話の応対に追われながら、公示に向けた準備を着々と進めていた。関係者は「風の便りも含め支援者が増えていると感じる」と選挙戦への手応えを語った。

 陣営の選対本部長を務める徳田毅氏の存在を挙げ「徳田さんがついていることも大きい。また、水面下で動いてくれている支持者もいる」と草の根で広がる支援にも期待を込める。

 出陣式は、午前8時半から同事務所前で開く予定。その後の演説などは流動的に組み立てる見込み。「無所属での選挙戦。元々ないものを積んでいるところだが、先が動いてきている感じがする。やるべきことを粛々とやっていく」。(関係者)