航空機事故を想定 消火・救難訓練

航空機事故を想定。関係機関の約100人、消防・救急など車両13台が出た消火救難訓練=11月30日、徳之島空港

徳之島空港

 

連携・協力体制を再確認

 

 【徳之島】徳之島空港(天城町浅間)で30日午後、航空機事故を想定した消火救難訓練があった。関係行政や警察・消防・医療・空港関係事業所から約100人が参加。緊急通報から現場指揮本部と合同対策本部の設置、消火・救難・担架搬送、トリアージ(症度判定)・救護地区設置など訓練を展開。連携・協力体制を再確認した。

 徳之島空港を離陸した航空機(乗員乗客78人)のタイヤが格納できずに引き返し、緑地帯に乗り上げてエンジンから煙が―など想定。航空機に見立てた廃車を炎上させての消火訓練、関係事業所職員らふんする負傷者役の救出。今年8月、同空港管理者の天城町と「同空港医療救護活動に関する協定」を交わした「あまぎユイの里医療センター」(天城)の寺倉宏嗣院長らによるトリアージ訓練も本番さながらに展開した。

 空港管理者の大久幸助天城町長は、訓練に先立った開会あいさつで「13年前、ジェット旅客機の車輪が折れ、大事故の寸前に難を逃れたことも。世界自然遺産に向けた受け入れ態勢が大事。本番と思って訓練を」などと要請した。

 訓練後の講評で、瀬戸口寛・県徳之島事務所長は「早ければ来年夏の登録が予想される世界自然遺産の島の『空の玄関口』として、国内外からの来訪者増も見込まれる。関係機関の連携・役割の発揮を」。地区消防組合の政木達也消防長も「航空機事故は大惨事になる恐れが。関係機関が連携して迅速・的確に行動し、被害の拡大防止に備えて欲しい」と求めた。

 同空港では2004年1月1日、旧日本エアシステム(JAS)のMD81型機(乗客乗員169人)が着陸直後に主脚が折れ、翼を滑走路に接触させて停止、乗客3人が軽傷を負う、あわや大惨事の事故が起きている。