大物シャコガイに笑顔

悪戦苦闘の末の〝戦果〟にご満悦の久林正弘さん=22日朝、徳之島町亀徳

悪戦苦闘の〝戦果〟

 

亀徳の久林正弘さん

 

 【徳之島】「とったどー!」とばかりに、興奮冷めやらぬ表情で、息も絶え絶えの〝水中格闘〟の模様を語り、戦果を披露するのは徳之島町亀徳、漁業久林=くばやし=正弘さん(54)。

 素潜り歴は30年余だが、「こんな大型のシャコガイ(ザルガイ科)を海中で見るのは初めて」と久林さん。重さ約13㌔、貝殻の最大幅約40㌢、厚み約30㌢。島の海川の幸に親しむ友人も「近年では見たことがない大物だ」と驚嘆、話題提供してきた。

 22日午前5時半ごろ、フィールドの亀徳海岸の浅海でコブシメやイセエビ、アラなどを求めて素潜り漁中に水深約5㍍で遭遇した。気持ちを抑えながら、がっぷり四つ状態でシャコガイに組し、こん身の力でねじり、サンゴ礁の海底から切り離すことに成功する。

 だが、喜びもつかの間。その重量物を抱えたまま浮上するのに困難を極め、息継ぎのため数度潜水を繰り返す。そして息も絶え絶えに悪戦苦闘しつつ瀬端に回収することができた。

 元寿司職人でもある久林さん。島ならではの超ド級の二枚貝の獲物は、近く本土から来島予定の妻の親戚や知人たちのため、話題を添えながら腕を振るうという。