解体撤去を前に、思い出の詰まった現校舎(後方)に感謝=1日、兼久小
12日から供用開始予定の兼久小新校舎
新校舎完成の兼久小
「現校舎さんありがとう」 57年間の歴史にふれる
【徳之島】昨年6月に着工していた新校舎がほぼ完成し、12日までに移転し待望の供用開始となる天城町立兼久小学校(白川満校長、児童数48人)で1日、「校舎とのお別れ会」があった。児童たちは、祖父母や親せきも通った現校舎の57年間の歴史にもふれ、複雑な面持ちで「思い出の詰まった校舎さんありがとう」と感謝を伝えた。
創立120周年の年の完成を目指した兼久小新校舎は、鉄筋コンクリート2階建て・一部鉄骨造の延べ床面積1641平方㍍(総事業費約5億8610万円)。町教育委員会や学校側によると今月10、11日に現校舎から移転、12日から供用開始の予定。1960(昭和35)年に旧「三和小」と統合して現在地に建った現校舎は移転後に解体撤去され、運動場となる。
「お別れ会」は、新しい環境へ希望を抱くとともに、現校舎の歴史や思い出をふり返って感謝を―音楽室で開いた。半世紀以上前の記録写真から現在校児童たちの様子などを画像で紹介。卒業生の元町議・田原廣秀さん(67)と、公務員・同校PTA会員の重田繭子さん(38)が在学当時の思い出を語り「思い出の詰まった校舎がなくなるのは寂しいが、兼久小児童の誇りを持って、新校舎で新たな歴史を築いて」などとエールを送った。
各学年の代表が、校舎に対し「おじいちゃんおばあちゃん、親せきも通った兼久小。そして今はぼくが通っています。たくさんの伝統が受け継がれています。もうすぐお別れです、僕たちの事を忘れないで下さい。校舎さんありがとう」などと感謝のメッセージを送った。