古文書解読講座開講式

新受講生14人を含む44人が受講する古文書解読講座開講式

教材は「大島の一条」
新受講生含め44人受講

 2018年度奄美博物館「古文書解読講座」開講式が13日、同館3階会議室であった。来年3月まで月2回、計20回開講予定。今年度は新受講生14人を含め44人が受講し、遠くは瀬戸内町加計呂麻島西阿室や古仁屋から通って古文書解読に挑戦する。教材は「大島の一条」。奄美に対する薩摩藩の施策の内情を知る貴重な文書で、昔の人々の姿が見えてくるという。初日は早速、この教材で古文書解読方法を学んだ。

 講師は、本田冨雄氏、平瀬達朗氏、森紘道氏が務める。開講式で高梨修奄美博物館館長は「鹿児島県歴史資料センター黎明館が平成14年から3年間行った調査で、奄美群島内に1万点以上の古文書があることが分かった。奄美は歴史資料がたくさん残っている地域の一つ。古文書を読むということは新しい研究をすること。昔の奄美をひも解いてほしい」「教本『大島の一条』は行政報告。(役人の)汾陽次郎右衛門が、奄美の砂糖政策についてどういう報告をしているのか、どう書かれているのか、読んでほしい」と激励した。

 初日は、森氏が講師を務めた。古文書を学ぶこつに関して①古文書解読では「慣れ」が大事。いろんな古文書を読み、慣れて②予習をしてほしい。左側に教本の本文があり、右側に空白がある。その空白に本文を書き写し、(読み方や意味が)分からない部分は空白にしておく。後日分かったらそこに書き込む③書き写しは鉛筆使用を。訂正がしやすい④本文を読む復習も大事。2~3回繰り返して読んでほしい―と助言。

 森講師は、インターネット検索ができる受講生に対し、①静岡県立図書館「くずし字解読講座」②佐賀県立図書館「古文書入門」③東京都公文書館「古文書解読チャレンジ講座」④新潟県立図書館「インターネット古文書講座」―サイトは参考になると話し、便利な辞書は「くずし字解読辞典」「くずし字用例辞典」、便利なものは「日本暦西暦月日対照表」「漢和辞典」「干支表」とアドバイスした。

 受講生の中には、宇検村、大和村、奄美市笠利町、同住用町、龍郷町在住者がいる。