珍しいチョウの標本ずらり

珍しいチョウの標本ずらり

展示を喜ぶ碇山幸治さんとずらりと並ぶチョウの標本

 

100種類・500匹超 りゅうがく館で世界の昆虫展
龍郷町玉里・碇山弘治さん寄贈

 

 龍郷町玉里在住の碇山弘治さん(76)が同町教育委員会に寄贈した100種類・500匹を超えるチョウを中心とした標本コレクションを展示する夏休み特別企画「世界の昆虫展」が17日、同町のりゅうがく館で始まった。35年かけて集めたという碇山さんは「チョウにはオスやメス、春型や夏型があり、全ての色や模様、形も異なる。チョウに多様性を感じ、身近な自然に興味を持つきっかけにしてほしい」と語った。

 碇山さんは30歳のころ、友人が所有するインドネシアなどに生息する「ロスチャイルドトリバネアゲハ」に魅せられ収集に目覚めた。以降、全国収集家の友人と奄美で採取したチョウの交換などを通じ、現在の世界的なコレクションに至った。

 標本は、「ぜひ、子どもたちにも見せたい」との思いや保存の関係も考慮し、24ケース分の標本を昨年、同町教育委員会に寄贈。碇山さんは「夏休みの自由研究など、子どもたちに少しでも喜んでもらえれば」と今回のお披露目を喜んだ。

 展示は、縦40㌢、横50㌢、幅5㌢ほどのガラス板付きの木箱にびっしりと収められた珍しいチョウなど12ケース分の標本を同館1階通路にずらりとディスプレイ。羽が鮮やかな緑色に輝く大型の熱帯性アゲハチョウ「トリバネアゲハ」など、採集地はアフリカや欧州など世界各地に及んでいる。

 寄贈を受けた同委・碇山和宏教育長は「世界の希少なチョウを見ることができるいい機会。興味をもって親しんでほしい」と多くの来館を呼び掛けた。

 展示期間は夏休み中の31日までで、時間は午前9時~午後10時(日曜は午後5時まで)。27日からは、残り12ケースと入れ替え、全コレクションを観ることができる。