高校美術展大賞「fragile」(徳田聖花さん作)
高校美術展準大賞の「夢幻抱影」(赤崎祐斗さん作)
高校美術連盟大賞「創造のすみか」(福詩衣菜さん作)
左手前から徳田さん・赤崎さん・福さん(徳之島高)
【徳之島】第69回鹿児島県高校美術展(県高等学校文化連盟など主催)の審査会がこのほどあった。徳之島高校美術部員の3人の洋画作品が最高賞の「高校美術展大賞」と次ぐ「同展準大賞」、「高校文化連盟大賞」の特別賞を一挙に射止めた。同校初の快挙で同一校の〝ワンツー独占〟も異例。16日から鹿児島市立美術館で展示が始まった。
最高賞の「高校美術展大賞」は徳之島高校3年生・徳田聖花さん(17)の『fragile』、▽「同展準大賞」は2年生・赤崎祐斗さん(17)の『夢幻抱影』▽「高校美術連盟大賞」は3年生・福詩衣菜さん(18)の『創造のすみか』。いずれも洋画F50号(116・8㌢×91㌢)で、制作期間は約3カ月という。
同展には、県内43校から計709作品の応募があった。13、14の両日に審査、15日結果を発表。徳之島高からは特別賞(大賞)3人のほか4人が入賞(優秀賞1・秀作賞1・奨励賞2)、3人が入選を果たした。
徳田さんの作品名「fragile」は、壊れやすく儚(はかな)いものの意。友人をモデルに「18歳という〝今の美しさと時間の儚さ〟を表現した。高校美術部員として3年間やって身につけた技術の集大成の作品で(最高)賞をいただけたのはうれしい」と徳田さん。
美術部部長の赤崎さんは、前回展入賞(鹿児島市美術館賞)からステップアップ。今回作には「自分のやりたい事に失敗して落ち込んでいる状況や、周りにある脆(もろ)さ人生の儚さを描いた。技術と経験が生かせた。アドバイスの大切さも感じた」。
福さんも「去年(優秀賞)よりも良い成績を残したいという気持ちがあった。受験勉強で時間がなかったが、なんとか頑張って良い結果が残せて良かった」。
美術部顧問の平野良光教諭(38)は「(約3カ月前から)切磋琢磨しながら粘り強く描いていた。3人の入賞を確信していたが、衝撃的な結果だった」と振り返った。
市立美術館展示は25日まで。1月下旬の大島地区高校文化祭(徳之島町会場)でも展示される。