徳之島キビ台風被害深刻

台風被害の深刻化で14万㌧台に低迷した今期製糖を終えた南西糖業(写真は徳和瀬工場)=4日、徳之島町

14万6千㌧台に低迷 品質もワースト2か
南西糖業製糖終了

 【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(田村順一代表取締役社長)は4日までに2018/19年期産原料の搬入・圧搾処理を終えた。同社2工場搬入量14万4624㌧に小型工場分含む同島の今期サトウキビ生産量は過去ワースト4の14万6648㌧(前期比 4万5347㌧減)。買い入れ平均糖度も12・89度とワースト2に大きく低迷。昨年9月末の台風24号被害が深刻な影響を残した。

 同社製糖速報(同日夕、同社徳之島事業本部原料統括部)によると、昨年12月20日に原料受け入れ(操業)を始め3日夕までの同日数は80日間(前期92日)だった。町別のキビ生産実績(小型工場処理分含む)は、▽徳之島町=4万5367㌧(前期比1万3667㌧減)、10㌃平均単収4・072㌧(1・143㌧減)▽天城町=5万5931㌧(2万75㌧減)、単収4・822㌧(1・460㌧減)▽伊仙町=4万5350㌧(1万1605㌧減)、単収4・180㌧(0・861㌧減)。3町計14万6648㌧(4万5347㌧減)、単収4・366㌧(1・164㌧減)に留まった。

 一方、買い入れ平均糖度(3町)も12・89度(前期比0・4度増)に大きく低迷。台風塩害で同社創業(1966年)以来最低を記録した前期比こそわずかに上回ったが、それに次ぐワースト2の可能性が高いという。

 今期を振り返って同社原料統括部は、「生育―伸長期の9月末時点までは干ばつ、台風、病害虫など被害もなく順調だった。9月28日の台風24号の直撃によって折損、葉損傷など多大な被害を受けて質・量ともに低迷する製糖となった」。生産量が当初見込み量(16万3544㌧)を10%以上も割り込んだ点には、「見込み量調査の方法として中庸(よう)ほ場の捉え方を再検証する必要も」。一方、品質については「被災後、製糖開始までの2カ月間で一定の回復を見込んだが、低迷期間が予想以上に長く続き下方修正に。今後の精度向上も検証したい」とした。

 今期製糖中の大きな労災事故などはなかったという。