「松本零士&牧美也子の世界展」

「マンガ界のレジェンド夫婦」である松本零士さんと牧美也子さんの作品展(世界展)が奄美で開催される=6月21日に自宅兼事務所(零時社)で、徳雅美理事長撮影=

14日から一村美術館で 複製原画、ビデオレターも
自然とテクノロジーの共存「奄美でこそ」

 NPO法人アマミーナ(徳雅美理事長)は、14日から県奄美パーク内の田中一村記念美術館で「松本零士&牧美也子の世界展」を開く。代表作の「銀河鉄道999」など松本さんの複製原画が展示されるほか、妻で少女マンガなどに掲載してきた牧さんの作品も同様に展示。「マンガ界のレジェンド夫婦」によるコラボ展で自然とテクノロジーの共存を伝えるが、世界自然遺産登録を目指す奄美へのメッセージとなりそうだ。

 徳理事長はカリフォルニア州立大学美術教育学教授を務める傍ら少女マンガパワー展を2005年から世界各国で企画開催。3年前の16年には地元である奄美でも「少女マンガパワー!!展」を開き多くの反響を呼んだが、今回は少女マンガで漫画家デビューした経緯がある松本さんと、初期の少女絵はリカちゃん人形のモデルになったとされ「マキの口笛」「源氏物語」などの作品で知られる牧さんのコラボ展が実現した。展示会のテーマは「アートとテクノロジーと自然の融合と共存」。奄美市の支援(紡ぐきょらの郷づくり事業)も受けている。

 期間は8月4日までで、午前9時から午後7時(最終日は午後4時)まで。入場無料。初日は同美術館企画展示室でオープニングイベントを開催。午後1時から1時間にわたるギャラリートークでは「松本零士&牧美也子からのメッセージ」としてビデオレターが紹介される。徳理事長は「松本さんは、世界の自然環境問題にも取り組むなど自然や環境への関心が高い。世界自然遺産候補地である奄美に対し何を語るか、多くのみなさんが聞いてほしい。作品を通して女性の生き方を問い続ける牧さんの魅力的な話もお楽しみに」と呼び掛ける。

 松本さんの作品は32点が展示されるが、いずれもデータをプリントした複製原画(すべてに著者のサイン入り)。▽少女マンガ▽自叙伝(「男おいどん」)▽テレビアニメ・映画化もされた大ヒット作「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」―と3テーマに分けて変遷を伝える。牧さんの展示作品は26点で、同様に変遷(レディースコミックまで)を伝えいく。両氏の漫画に親しんできたファン垂涎の展示会となりそうだ。

 問い合わせ先は、アマミーナ(名瀬公民館)電話0997・52・1816まで。

 関連イベントは次の通り。

 14日(オープニングイベント)午後2~4時=奄美の未来のロボットを描こう(漫画ワークショップ)▽8月2日午後1~2時(一村記念美術館内企画展示室)=特別講演会「少女マンガジャンルの誕生とその広がり―黎明期を支えた作家たち―」。講師・増田のぞみ甲南女子大准教授▽5日午後1~2時(AⅰAⅰひろば2階研修室)=特別講演会「ロボット革命―身近になったロボット技術―」。講師・田窪朋仁大阪市立大教授