2019年夏総括

2019年夏総括

台風の影響で船便が長期にわたり欠航。1日に4便が名瀬港に入港した12日には、同港で盛んに荷役作業が行われた

台風で海・空の便影響相次ぐ
商品確保できず、マンゴー値崩れ
釣り人の水難死亡事故多発

 2日は奄美群島内の多くの小中学校で始業式があり、2学期が始まる。奄美群島では目立った台風被害はなかったが、月遅れ・旧盆が重なった時期に台風8~10号の連続発生による空・海の便の欠航があり、物流や帰省客の足に影響を与えた。2019年の奄美の夏を振り返る。

◇気象

 今年の7・8月の台風発生数は9個で、昨年より5個少なかった。奄美群島に風水害などの直接影響を及ぼした台風はなく、交通などへの間接的な影響が多かった。

 7月下旬に接近した台風5号の影響で、与論島で開催予定だった県民体育大会大島地区大会(郡体)のカヌー競技が中止に追い込まれた。また、8月上旬から中旬にかけては台風8~10号が断続的に発生。海の便が長期にわたり欠航するなどした。

◇観光・交通

 台風8~10号の影響で奄美群島内各島の港では7日上り便から欠航が始まり、12日のみ入港。12日の下り便が1便しか入港しなかった徳之島、沖永良部島、与論島の南三島では、日用品の品薄が続き、盆(13~15日)に必要な商品が十分に確保できない事態となった。13日以降は再び欠航。15日に上り便が、17日に下り便が回復し、平穏を取り戻した。

 長期の欠航により、農産物の出荷への影響も。特にマンゴーは上り便の欠航で出荷ができず、値崩れが発生。普段の半額以下の価格で取引される事態に陥った。

 空の便も盆シーズンに台風10号が西日本を縦断したため、航空各社のダイヤは乱れ、欠航・遅延が発生。盆の3日間で51便が欠航、82便が遅延したとみられ、帰省客の足に大きな影響をもたらした。

 8月31日には格安航空会社(LCC)バニラ・エアがピーチアビエーション社との統合に伴う路線改編で奄美大島―成田便の最後の運航を終えた。ピーチ社による運航再開は奄美大島―成田線で10月1日から、奄美大島―関西線で12月26日から予定されている。

◇水難事故

 今夏は釣り人の水難事故も多発。7月6日には、瀬戸内町の西古見海岸で1人乗りの手漕ぎボートで出港した県外の釣り人が死亡。8月に入ってからは奄美群島内で少なくとも4人の釣り人・漁業者が死亡した。