まちおもいキャンプ最終回

参加者が取り組んできたモデル事業についてそれぞれプレゼンテーションを行った

モデル事業の成果発表
移住定住促進に ビーチクリーンやパンフ制作

 県大島支庁などが主催する「あまみSwitchまちおもいキャンプVol・2 移住定住編」の第5回が7日、瀬戸内町古仁屋のきゅら島交流館であった。今回が最終回ということで、これまで移住者と在住者が手を取り合い取り組んできた移住定住促進に向けたモデル事例を紹介し、課題や展望を示した。

 まちおもいキャンプは、県が地域コミュニティ組織、NPO法人などと協働で地域課題の解決に取り組む「NPO共生・協働かごしま推進事業」の一環。昨年度に引き続き、同実行委員会と(一社)鹿児島天文館総合研究所「Ten―Lab(テンラボ)」が共催。今年度は昨年9月以降4回の会合を持ち、講座を通して課題抽出や事例学習を実施。並行して、定住促進に向けたモデル事業を企画し実践してきた。

 この日はモデル事業の成果をプレゼンテーション。ビーチクリーンを開催したグループは「作業を通し地元の人たちと触れ合い、生の声を聞く機会を設けることで、移住後の生活がイメージしやすくなる」などとした一方、「もともと住む地元の人とI・Uターン者の環境への意識が違うので、かみ合わせが必要」などと課題を指摘した。

 移住希望者向けのハンドブックを企画したグループは「移住者の『知りたい』を前もって把握する必要がある」とし、移住者が自分で調べ書き込むタイプのものを制作。プレゼン後にアドバイスを行った、テンラボの永山由高理事長は「制作するのに行われた『何を載せるか』という議論のプロセスに価値がある」と評価した。

 移住者に対する集落紹介のパンフレットのフォーマット(書式)を作成したグループは、実際に奄美市と瀬戸内町の5集落区長に配布し記入を依頼。「受け入れ側があまり意識していないことに気づけた。小さくても確実な一歩」などとした。

 5回を通し、ファシリテーター(進行役)を務めた実行委の山本美帆さんは「今年度はチームとして動くということで、それぞれ負担も多かった中、思っていた以上の成果が生まれた。今後も対話と挑戦の文化が広がるような取り組みを今後も進めたい」とした。