アマミマルバネクワガタなど3種初指定

新規指定されたアマミマルバネクワガタ(環境省提供)

新規指定されたマルダイコクコガネ名義タイプ亜種(前田芳之さん提供)

新規指定されたマルダイコクコガネ徳之島亜種(環境省提供)

奄美群島国立公園・特別地域内
条例指定種の規制強化

 環境省は先月28日、自然公園法に基づき奄美群島国立公園の特別地域内の指定動物を新規指定する官報告示を行った。初指定されたのは、アマミマルバネクワガタなど昆虫類3種。いずれも市町村の希少種保護条例の指定種だが、密猟などによる生息状況の悪化を踏まえ、今回の指定により国立公園内の規制をさらに強化するもの。市町村条例の規制も継続し、モニタリングなどで指定種の保護が図られる。

 同省のホームページなどによると、国立公園の特別地域内では、自然公園法の規定で指定動物の捕獲等の行為を規制。指定後は国立公園では指定動物を捕獲したり、指定種の卵を採取するなどは環境大臣の許可を受けなければならない。

 国立公園の指定動物の指定は2006年以来で、奄美群島国立公園では初となる。今回指定された昆虫類は同省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類の、▽コガネムシ科マルダイコクコガネ(名義タイプ亜種)▽同科マルダイコクコガネ徳之島亜種▽クワガタムシ科アマミマルバネクワガタで、指定後には保全等の取り組みが実施される。

 同省奄美群島国立公園管理事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官は、「いずれの種もすでに市町村の『希少野生動植物の保護に関する条例』の指定種だが、国立公園内において当該種の規制を強化するもの」と解説。この指定で奄美群島国立公園の特別地域内では、市町村条例の規制に加え、自然公園法による捕獲等の規制もかかるという。

 千葉さんは、「国立公園内で生息地の保全を図るほか、市町村により実施されているパトロールや監視カメラ設置等の取り組みとも連携し、今後国立公園の内外においてモニタリングや密猟対策を強化し、より一層保護の強化を図りたい。この3月7日で国立公園指定後3年を迎えるが、奄美群島の豊かな自然環境を守るため、これからも地域住民や関係者などと連携・協力して保全の取り組みを進めていきたい」と話した。