幕末史研究会

出席者を前に講演をする大江修造さん(提供写真)

 

「奄美の黒糖で明治維新」
東京奄美会・大江会長が講演

 

 【東京】武蔵野市の武蔵野商工会館(吉祥寺本町1―10―7)でこのほど、「第282回幕末史研究会(小美濃清明=おみのきよはる=会長)が開催され、鹿児島や奄美の出身者ら50人が参加した。講師として、龍郷町出身の元東京理科大教授で東京奄美会会長の大江修造さんが「黒糖製造と明治維新に至る薩摩藩の財政」の演題で講演。参加者は熱心に聞き入っていた。

 幕末史研究会は、1994(平成6)年から活動を開始、毎月さまざまなテーマで講演会を開催しており、これまで東大資料編纂=へんさん=所や各大学の教授・研究者・作家らが多数登場している。小美濃会長は、坂本龍馬研究者で、『坂本龍馬の遺言』(藤原書店)など、多数の著書で知られている。

 今回講演した大江さんは、持論を展開。薩摩藩は奄美の黒糖による240万両という莫大な軍資金で倒幕の戦いに勝利し、結果、明治維新を成し遂げたことを解説した。

 なかでも、薩摩藩が、薩英戦争で英国に勝利した点を、幕府が認=したた=めていた古文書や英国人の当時の書簡に基づいて説明。参加者らは、約150年前の故郷に思いをはせるように目を閉じていた。

 およそ1時間半の講演に続いて、参加者からは、薩摩藩の黒糖販売方法や、薩摩藩勝利の根拠などについて次々と多数の質問が寄せられ、熱い質疑応答が交わされていた。