奄美市感染症情報連絡会議

新型コロナウイルス感染の予防対策などについて協議した奄美市の連絡会議

公共施設の休館4月5日まで延長
小中学校は23日から再開
市民窓口の感染対策強化

 奄美市は21日、第5回新型コロナウイルス感染症情報連絡会議を開き、感染症対策の現状などについて話し合った。奄美文化センターなどの公共施設については、22日までとしていた休館期間を4月5日まで延長。市内小中学校の休校措置については、従来通り22日までとし、23日からは通常登校となる。年度末を控え、転入転出届けなどで来庁者が増えることから、市役所2階市民窓口での感染対策を強化する。

 連絡会議には、朝山毅市長ら市幹部職員らが出席。政府の専門家会議や対策本部の提言などを受けた、市の今後の対応などについて協議した。

 会議では冒頭、19日にあった政府の専門家会議の提言内容として、感染源がわからない感染者の増加が生じている地域が散発的に発生。感染に気付かない人たちによるクラスター(集団感染)などにより、「爆発的な患者急増(オーバーシュート)」が起こりかねない状況にあることなどが報告された。

 県内では今のところ、感染者は確認されていないものの、国内外の状況などから、短期的な終息は考えにくく、長期戦を覚悟する必要があることなども示され、市当局は「引き続き感染リスクの高い屋内でのイベントなどは控えるなど、対策を継続する必要がある」などとし、①密閉空間②密集場所③密接場面―の3条件が重なる行動を避けるよう呼び掛けている。

 奄美文化センターや名瀬運動公園、市立奄美博物館、AiAiひろばなどの公共施設と市内の自治会や集落などの集会所は感染予防のため休館期間を4月5日まで延長する。同市大浜海浜公園の奄美海洋展示館とタラソ奄美の竜宮は、サウナ施設など一部で利用制限を行ったうえで開館する。送迎バスは同5日まで運休する。

 市教委は、小学校は23日から通常登校とし、24日の小学校の卒業式は規模を縮小して行う。教職員の離任式については、修了式(25日)に合わせて行うなど各校で柔軟に対応する。異動に伴う港や空港での見送りについては、自粛するよう依頼、やむを得ない場合は滞在時間の短縮とマスク着用を呼び掛けている。

 市役所2階の市民窓口では、転出・転入で来庁者が増えることから、23日~4月7日まで、各課窓口担当者全員がマスク着用で対応。アルコール消毒や換気を徹底するほか、3人掛けソファーの真ん中の席を利用しないよう張り紙などで呼び掛け、来庁者の接触などを避ける。キッズスペースのぬいぐるみも期間中は撤去する。

 このほか、財政課から政府の緊急対策にかかる補正予算を、開会中の市議会3月定例会に提案することが報告された。25日の最終本会議に上程、採決する予定。予算規模などの内容については23日に公表される。

 朝山市長は「長期戦を考えなければいけない。市民の安全を第一に、感染防止態勢を維持し、職員一丸となって対応してもらいたい」などと要請した。