名瀬新港、見送り可も期間限定

港湾での見送り自粛を求める動きが出てきた(参考写真 昨年の見送り光景)

県大島支庁 感染対策で自粛呼び掛け

進学や転勤による年度末の異動シーズンが迫り、県は奄美・沖縄フェリーターミナルがある鹿児島新港=鹿児島市=岸壁からの見送りをしないよう県民に呼び掛けた。新型コロナウイルスの感染拡大防止として25日、異例の中止要請を発表。奄美で多くの見送り客が集まる奄美市の名瀬新港については27日から31日までの5日間限定で「見送り可」としたものの、マスク着用など感染症対策や集まりを最小限度にするよう求めている。

恩師や友人との別れを惜しみ、船と岸壁を紙テープでつなぐ光景は年度末の風物詩。岸壁周辺は荷役作業があるため関係者以外の立ち入りを通常禁じているが、長年の慣習化から特例的に見送りを可能としていた。

新型ウイルスの全国的な感染拡大を受け、県港湾空港課は鹿児島新港岸壁での見送りを中止し、ターミナル内で見送り目的の集会もしないようホームページで呼び掛け。学校機関に通達したという。

名瀬新港はこの時期、日によって1千人以上の来場がある。異動ピークに合わせ、5日間のみ見送りを認めた。

県大島支庁は、自治体の教育委員会を通じて、各学校に出来る限りの自粛を通達。▽指示があるまで2階待合所で待機▽指定エリア内のみ見送り可▽児童生徒は保護者同伴―などこれまでのルール順守に加え、密集状態の回避など感染対策の徹底を呼び掛けている。

同支庁建設課は感染症拡大の動向が変動している情勢を受け、「特に混雑が予想される時期を迎え、感染防止策の徹底が重要。例年にない対応に理解を願いたい」とした。

なお県は奄美群島内の他の港湾や空港施設について「見送り客はそれほど多くない」として、いまのところ自粛要請は出していない。