『南島雑話』の世界持ち歩き

左からSサイズ・ネイビー「リュウキュウコノハズク」、Sサイズ・ナチュラル「八月踊りと宴会の様子」、MLサイズ・ナチュラル「ケンムン」

奄美博物館、トートバッグ販売
自然・文化・伝承の全3種類

 奄美市名瀬長浜町の奄美市立奄美博物館がこのほど、『南島雑話』をモチーフにしたトートバッグを販売開始した。同書は南島研究のバイブルと言われる民俗誌。奄美の自然・文化・伝承から一つずつ題材を採った全3種類。同館のみでの限定販売。

 『南島雑話』は幕末に書かれた奄美大島に関する民俗誌。島流しにされた薩摩藩士・名越左源太が記した。当時の奄美大島の衣食住・行事・動植物・伝聞した出来事などが、いきいきとした絵と文章で描かれている。

 同館では昨年の展示リニューアルを経て、『南島雑話』の挿絵を随所に配置した展示となった。訪れる人からも、同書のグッズがないか問い合わせる声が多く上がったという。同館が持つ資料を有効活用するため、トートバッグにして2月下旬から販売開始した。

 同市教育委員会文化財課の平城逹哉さんは「以前からグッズ化の声があったが、今回ようやく実現した」と話す。当初はSサイズ50個、MLサイズ100個の数量限定だった。SNSなどで発信したところ売れ行きが好調になったという。

 Sサイズ・ナチュラルが奄美の文化から「八月踊りと宴会の様子」、Sサイズ・ネイビーが奄美の自然から「リュウキュウコノハズク」、MLサイズ・ナチュラルが奄美の伝承から「ケンムン」を題材に採った。平城さんは「奄美博物館にしかない限定販売なので早めに買い求めてほしい。これからも、奄美の自然・文化・歴史を理解してもらえるようなグッズ展開をしていきたい」と話した。

 価格はSサイズが税込1000円、MLサイズが税込1500円。問い合わせは電話0997-54-1210(奄美市立奄美博物館)まで。