神秘的で可憐な銀の妖精
奄美大島南部の山中で、純白色のギンリョウソウが開花している=写真(西康範さん撮影)。『琉球弧・植物図鑑』(片野田逸朗さん著)によると、ギンリョウソウは山地のやや湿った土壌に生える多年生腐生植物。
腐生植物には光合成をする力がなく、菌類と共生して栄養を得ている。光合成に必要な緑色の色素を持たないことから、全体が白色をしている。
和名は「銀竜草」。その名の通り銀のうろこのような半透明の葉が特徴。てっぺんにややうつむき加減の可憐な花が咲く。めしべの柱頭は青紫色を帯びる。果実も白色で下向きのまま熟す。
ギンリョウソウは乾くと黒色に変色してしまう。西さんによると、現在は見頃の終盤を迎えている。期間限定の神秘的な姿が見る人を魅了している。