春休み最後の5日、奄美地方各地で子どもたちの姿はまばらだった
新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校の臨時休校措置から約1カ月。春休み最後の休日となった5日、奄美地方は晴天に覆われたが、行楽地など屋外の人出はまばら。新学期を前に特に子どもたちの姿も少なく、多くは現在の状況を冷静に受け止め、最低限の外出にとどめたようだ。
絶好の天気となった龍郷町の手広海岸では、普段のような人出は見られなかったが、サーフィンやスタンドアップパドルボード、砂浜を散歩する人の姿がちらほら見られた。同町在住の42歳男性は息子と一緒にサーフィンを練習。「海は(感染)リスクも低い。人が少ない分ゆったり楽しめた」と笑顔。中学3年生の息子も「体を動かしすっきりした。明日から勉強も頑張りたい」とさわやかな表情で話した。
普段は観光客でにぎわう奄美市笠利町のあやまる岬観光公園でも、遊具で遊ぶ親子や散歩に立ち寄る観光客などがわずかに見られる程度で閑散。同町にある土産店でも、「こんな状況だから仕方ないけど、売り上げは例年の半分以下。長いこと勤めているが、こんな人がいないのは初めて見た」と肩を落とした。
一方、不要不急な外出にあたらない龍郷町のスーパーには、食品や日用品を買いにきた家族などがまずまず見受けられた。新学期を前に文房具を買ったという小学5年生の女子児童は「ずっと家にいても面白くなかった」と話し、連れ添った母(38)は学校再開に「子どもの食事の負担がなくなるのはありがたい」と歓迎する一方、「島内でも感染者が出ている状況。教室には人が多いので心配や不安もある」などと話した。
なお気象庁によると奄美地方のこの日の天気は晴れ。日中の最高気温は名瀬で20・3度、沖永良部で21・1度だった。