「あと何カ月持ちこたえられるか」

㈱奄美国際ネットワークの杉岡代表取締役

通訳案内士 クルーズ船、外国人観光客減で
奄美国際ネット

 奄美大島で地域通訳案内士によるツアーを催行している㈱奄美国際ネットワークでは、新型コロナウイルス流行による仕事の減少に頭を悩ませている。クルーズ船の入港がなくなり、ツアーで来島する外国人観光客も減少したためだ。同社は2016年から事業を開始し、今後の成長を期待していただけに苦しい状況だという。

 奄美群島広域事務組合によると、これまでに129人の地域通訳案内士が奄美で誕生した。同社では約10人が兼業しながらクルーズのガイドなどを務めているという。

 新型コロナウイルスの世界的な流行で、4月~5月に名瀬港に寄港予定だった「カレドニアン・スカイ」「セレブリティ・ミレニアム」といったクルーズ船が寄港中止となった。10月にウィンドスター・クルーズ社が予定していたクルーズも来年4月に延期となった。その他ヨーロッパからのツアー客も、飛行機が欠航となり来なくなっている。

 同社代表取締役の杉岡秋美さんは「これから事業を伸ばしていこうという時で、今年は期待していただけにがっかりした気持ち」と肩を落とす。現在は旅行業界も大混乱しているほか、島内の観光物産・サービス業界も対応に苦慮しているという。「今はコロナ禍が始まったばかり。1カ月、2カ月なら持ちこたえられるが、これが何カ月も続いたら業界全体がどうなるか」と不安をにじませる。

 予定していたツアーは催行前にすべてキャンセルとなったため直接的な金銭損失はなかったが、契約前にかけた営業コストなどを考えると、損害は約100万円にのぼるという。

 今後については「コロナが終息して客足が戻ったときに向けて、クルーズ船のオペレーターや船会社などに対する営業活動に力を入れていきたい。ウィンドスター・クルーズ社のクルーズも来年4月に仕切り直すので、その時に期待したい」と語った。