到着客にチラシを配布する奄美市職員=21日、奄美空港
17日に奄美大島で初の新型コロナウイルスの感染者を確認したことを受けて島内5市町村は20日から、奄美空港(奄美市笠利町)で到着客に感染防止を呼び掛ける啓発チラシを配布するなど、独自の水際対策を始めた。体温が高いとみられる人には任意で行動予定などを確認するアンケートを依頼。滞在期間中に体調確認も行うことにしている。市健康増進課は「21日の時点で高熱のある到着客はいない」と報告した。
島内で感染者が確認されたことを受け、5市町村で組織する奄美大島新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長=朝山毅奄美市長)は18日の緊急会合で、水際対策を強化する方針を示していた。
同空港では県が、3月23日から体の表面温度を測るサーモグラフィーを設置、発熱などの症状のある搭乗客に、保健所などへの連絡をお願いするチラシを配布している。5市町村は、こうした取り組みをより強化しようと、独自に職員を配置、来島者全員に啓発チラシを配布することにした。
アンケートは、県のサーモグラフィー検査で37・5度以上の体温が検知された人を対象に協力を求める。居住地(都道府県)や来島理由、滞在日程、滞在先(市町村)などを任意で記入してもらう。市健康増進課は「アンケートは強制ではなく、あくまで協力を求めるもの。本人の了承が得られれば、滞在先の自治体の保健師が健康確認のための連絡を入れる」という。
21日は、午前8時から最終便まで職員が到着ロビーに待機し、乗客へチラシを配布。高熱の到着客はいなかったため、アンケートは実施しなかった。空港内は閑散とし、鹿児島などの到着便から降りてくる客もまばらで、沖縄便の到着客は1人だった。
5市町村は、今後も引き続き水際対策を継続する予定で、土日も実施する。1週間のうち、5日間は奄美市、2日間は龍郷町から職員を派遣する。