情報系の強み生かし遠隔授業

画面ごしに顔を合わせて行う遠隔授業

「貴重な時間無駄にしない」
情報処理専門学校

 奄美市名瀬の奄美情報処理専門学校(福山洋志校長)は21日から、インターネットを活用した遠隔授業を開始した。新型コロナウイルス対策のため。自宅にWi-Fi環境が整っている学生はビデオ通話で授業を受けることができる。

 同校では22日、自宅にWi-Fi環境が整っている学生は全員遠隔授業を受講した。それ以外の一部の学生は登校し、換気した教室で席の間隔を開けて対面授業を受講した。

 遠隔授業はGooGleのハングアウト機能を用いて、ビデオ通話、文字によるチャット、画面共有を駆使して行われた。2年生の授業を担当する田中豪教諭がビデオ通話で出席を取ると、自宅の生徒が「はい」と画面ごしに返事をした。

 同校から学生に貸与されているノートパソコンにはカメラとマイクが内蔵されており、学生はネット環境さえあれば遠隔授業を受けることができる。出席確認後は、田中教諭の指示に従って、プログラミング言語のJavascriptの開発環境を各自のパソコンで整えた。

 2年生の村田祐斗さんは「普段の授業では、分からない点などをクラスメイトと相談しながら作業ができるが、遠隔授業ではそれができず不便。しかし、外出もはばかられるような現状の中で、家で安全に授業を受けられる」と話した。

 田中教諭は「鹿児島本土の専門学校で学生の感染が確認されて以来、県内の各専門学校が休校などの対応を迫られている。本校は情報系専門学校という強みを生かし、オンラインでの授業に踏み切った」と説明。「ただ休校にするだけでは学生たちの貴重な時間がもったいない」と信念をにじませた。

 新型コロナウイルスの影響は同校の卒業生らにも及んでいるという。本土のIT企業に就職した卒業生らは、入社式翌日から自宅でのテレワークに臨んでいる。同校は、コロナ流行が長引いた場合、ビデオ面接などの「遠隔就活」も視野に入れる。