持ち帰りや宅配が増加

店舗前で弁当を販売する「奄美華吉」の従業員

新型コロナ影響受け
奄美市屋仁川の飲食店 売り上げ減補い店舗前で弁当販売も

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県が休業や時間短縮の要請を行ったことを受け、奄美大島の飲食店では、多くの店舗が休業や営業時間を短縮などの対応を始めた。一方で、店内飲食を控える代わりに、テイクアウト(持ち帰り)やデリバリー(宅配)などのサービスを始める店舗も増えている。

 26日正午過ぎ、奄美市の歓楽街「屋仁川通り」では、「テイクアウト」ののぼりを通り沿いに立てたり、店舗入り口に弁当などを並べ販売する店舗があった。昼時になると店舗前に車を止めて、買い求める人の姿も多く見られた。

 2年ほど前から屋仁川通りに店舗を構える居酒屋「奄美華吉」は、新型コロナウイルスの感染防止のため、5日~20日まで営業を自粛したが、売り上げ減少を補うため、21日からテイクアウトとデリバリーを始めた。午前11時~午後2時までは、店舗前に弁当などを並べ販売、午後5時~同8時までは鶏のから揚げや焼きホッケなどの居酒屋メニューなどもテイクアウトしている。1500円以上の購入客を対象にデリバリーも行っている。

 店長の重井拓宏さん(29)は「売り上げは通常の2、3割程度で、正直ほとんど利益はない。大変だけど、みんなに頑張っている姿を届けられたら」と話し、感染終息後の店内営業再開を見据えている。

 弁当を買い求めた同市名瀬朝仁新町の女性(38)は、「外食できないのは寂しいが、少しでも店の売り上げに貢献できればうれしい。大変だけど頑張って乗り切ってほしい」と話した。

 奄美市社交業飲食業組合によると、約90店舗の加盟店のうち、20店舗ほどがテイクアウトなどのサービスを始めているという。伊東隆吉理事長は「飲食店の営業自粛は仕入れ先の事業者にも影響する。テイクアウトなどの形で営業できれば仕入れ先も助かる。今はすべての業界が大変な時。みんなで助け合って何とかこの危機を乗り越えられたら」と話した。