すがすがしい陽光の下、海の幸の「アオサ摘み」を楽しむ仲良しトリオ=29日午後、天城町
天城町浅間~松原間の海岸線
【徳之島】大型連休恒例の名物イベントもことごとく中止に追い込まれてしまい、〝晴朗なれども波高し〟の新型コロナウイルス禍が続く中、天城町浅間~松原にかけた海岸線では29日、サンゴ礁の干瀬(ひせ)に活着した天然のアオサ(ヒトエグサ)摘みに興じる姿がみられた。例年だと旬は2~3月だが、今春は「涼しいせいかこの時期まで海の幸を恵んでくれている」ようだ。
「アオサのりは緑色が鮮やか。一番多い料理は玉子焼き。天ぷらやスープの具、つくだ煮などが定番です」とは天城町食生活改善推進員の60代の仲良し3人組。「乾燥させて本土の兄弟に送ったり、海に来れない隣近所のお年寄りたちにも差し上げて喜ばれています」とも。
うち2人は島外(東京都葛飾区、本県曽於市)出身で天城町内に嫁ぎ37年と35年目。「空気、そして海山の大自然の恵み。海ではアオサ、山ではツワブキも採ったり魅力を満喫してます。雑草(野草)でさえも食べますよ」と顔を見合わせて爆笑。そして「島は野菜など何を植えても、大地が立派に育ててくれる徳の島です」とぞっこんのご様子。
すがすがしい青空の下に広がる〝緑のじゅうたん〟と「寝姿山」、そして笑顔。新型コロナ禍の憂さを忘れさせてくれる光景だった。