下船客の一人一人に検温を実施した(29日午前5時、名瀬港船客待合所内)
名瀬港で県 拡大・予防へチラシも
コロナ感染の水際対策
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県は29日から、管理する奄美市の名瀬港で鹿児島―沖縄間を結ぶ定期フェリーの下船客を対象にした検温を実施している。37・5度以上の熱などがある人には保健所への相談を促す。
県の新型コロナ緊急対策の一環。離島の空港と港湾での水際対策として検温が進められており、奄美大島島内では同市笠利町の奄美空港(3月23日実施)に続くものだ。
県港湾空港課によると、県建設業協会奄美支部から非接触型体温計が提供されるなど「対応体制の準備が整った」として、大型連休から実施。同港に発着するフェリー上下便の下船に合わせるため、今後は朝夜の1日2回、県大島支庁と奄美市の職員が対応するという。
初日は鹿児島からの下船客9人に検温。発熱感知はなかったが、感染症の拡大・予防に向けたチラシを手渡して注意喚起した。
親族の県本土への通院で日帰りしたという名瀬の男性(53)は「感染対策による検温は必要と理解している。県本土でも各地で対策しており、ピリピリした雰囲気だった」と話した。
藤田正之・県大島支庁建設課長は「離島にとって水際対策は重要。適正な対応を図り、住民不安解消につなげたい」。三原裕樹・奄美市総務部長は「島内には空と海の玄関口があるため、関係機関と連携して感染防止につとめたい」とそれぞれ述べた。
同港での検温は当面の間、行うとしている。