「恐怖や無知がコロナ差別生む」

ディスカッションをする1年6組の生徒ら

高校生が議論・投書

 県立大島高校1年6組の生徒ら41人がこのほど、新型コロナウイルス流行に伴う差別や偏見についてディスカッションを行った。ディスカッションの中で、コロナ差別が生まれる背景や改善策について多様な意見が出された。コロナ差別について考えたことを生徒らは作文につづり、新聞に投書する。

 生徒らは4月16日、授業時間を使って約4人づつのグループに分かれ、ディスカッションを行った。6組の武元空大さんによると、「新型コロナウイルスによってどんな人が差別・偏見を受けているか」という議題では「医療関係者」「中国の人」「感染者やその家族」とさまざまな意見が出て、コロナ流行によって多くの人が苦労している現状が見えてきた。

 「コロナ差別や偏見をどうやって変えるか」という議題では「手洗いうがいや外出自粛など、予防を一番にすること」「『怖い』という感情があるから差別する。しかし感染した人も怖がっている。そのような人たちに対して差別ではなく応援のメッセージを出すことが大切」との結論になったという。

 尻無濵大悟さんのグループでは「差別が起こるのはコロナに対する無知が原因。ウイルスは実体が見えないから『怖い』という感情が起こる」との意見が出た。その上で、差別や偏見をなくすためには「知ること、相手の立場になって考えることが大切」だとした。

 1年6組の生徒らは高校に入学して互いに馴染めてきたところ。ディスカッションを通して「クラスが始まったばかりだったが、臆さずに発言できるようになった」と尻無濵さん。

 十代の生徒らにとっては、コロナ禍は人生で初めて体験する世界的な難局。武元さんは「今後このようなことが起きてほしくない。早く終息してほしい」と話した。