新たな給付制度創設を

朝山市長に要望書を提出する社交飲食業組合の理事ら

奄美市社交飲食業組合 市と議会に要望書提出
人件費や家賃補助など

 奄美市社交飲食業組合(伊東隆吉理事長、90店舗)は7日、新型コロナウイルス感染拡大による営業自粛などで経営環境が悪化している飲食業界への支援などを求める要望書を、奄美市と同市議会に提出した。新たな助成制度の創設やマスク、消毒液の供給、終息後の経済対策などを求めている。伊東理事長ら同組合関係者12人が市役所を訪れ、朝山毅市長と与勝広議長にそれぞれ手渡した。

 要望書では、国の緊急事態宣言以降、同市名瀬の屋仁川通りを中心にほとんどの飲食店が休業状態となっている現状などを指摘。さらに、同宣言の5月末までの延長に伴い、県内では接客を伴うスナックやバーなどが20日まで休業要請期間が延長されたことにも触れ、「経営維持が深刻化している」などと、飲食業界を取り巻く環境の悪化を訴えている。

 そのうえで、▽人件費、家賃等の店舗維持に必要な新たな給付助成制度の創設▽濃厚接触を避けられない飲食店へのマスク、消毒液の供給▽島外からの来島者に対する対策の強化▽終息が見通せた時点で、大規模な経済対策の実施―の4項目を要望した。

 同組合の理事で、市内でスナックを経営する濱田美和さん(50)は、「7日以降の休業要請には協力金などの補償もない。このまま、収入がない状況が続けば、自粛要請に従わない店も出てくる。従業員を抱え、店の存続の危機が目の前に迫っている」と、倒産や閉店の危機にある接客業の実情を訴えた。

 朝山市長は「飲食業が最も大変なことは理解している。市として可能な限りの支援ができるよう取り組んでいく。力を合わせこの危機を何とか乗り切れるよう、知恵を出していきたい」と述べ、与議長も「飲食業界の声をしっかりと市に届け、支援が実施できるよう取り組む」などと話した。

 同組合の伊東理事長は「営業自粛は各店舗の判断に任されているが、休業か営業再開か、どちらを選択しても、厳しい経営環境に変わりない。国や県、市の支援がなければ倒産や閉店する店も出てくるかもしれない。手遅れになる前に支援策を示してほしい」と、厳しい経営環境にあえぐ飲食業界への早期支援を求めた。