地域課題解決へ包括連携協定

オンライン方式であった鹿児島大学と徳之島3町の包括連携協定の調印式=15日、天城町役場

鹿児島大と徳之島3町 農業・水産・畜産など
オンライン方式で調印

【徳之島】国立大学法人鹿児島大学(佐野輝学長)と徳之島3町(徳之島町・天城町・伊仙町)は15日、地域課題の解決に向け同大の知的資源を活用、人材育成や地域活性化に連携・協力する包括連携協定を結んだ。同3町とは既に農業、水産業、畜産業などに関する一部プロジェクトで個別に連携しているが、包括連携協定を機に文化・教育振興・国際交流・観光振興など取り組みも深化させていく。

調印式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、鹿児島大学南九州・南西諸島域共創機構棟(鹿児島市)―天城町役場間をインターネット会議システムで結んでのオンライン方式であった。契約期間は3年間(自動更新あり)。自治体(広域連合含む)との包括連携協定は12例目という。

同大は徳之島に関してはこれまで、▽徳之島3町=サトウキビ農業高度化「ⅠoT(モノのインターネット)先端農業実証プロジェクト」▽徳之島町=雌牛改良・増頭を目的とした「同町受精卵センター」で連携協定▽天城町=地域住民による管理が可能な陸上養殖システムの構築プロジェクトに関する協力▽伊仙町=徳之島闘牛の廃牛肉の高付加価値化・ブランド化を目指し「食肉栄養学研究会」立ち上げによる研究などを進めている。

今回の包括連携協定後を機にした今後の取り組み(担当)には、①農業・水産業・畜産業の振興(農学部、水産学部、共同獣医学部、産学・地域共創センター)②文化の振興、地域教育及び人材育成(法文学部、教育学部)③国際交流・観光の振興(法文学部)④地域活性化(9学部、大学院の9研究科)など分野を挙げている。

調印後、高岡秀規徳之島町長はあいさつで「グローカルやICT(情報通信技術)面も含めた人材育成や成功事例づくり」。森田弘光天城町長は「四方を囲った海の資源の活用、陸上養殖(実験中)など水産振興」。大久保伊仙町長は、長寿・子宝や闘牛文化など多様性を生かす地域振興―などに期待を寄せた。

佐野学長は、既協力・協定分野にふれながら「鹿児島大は、地域社会の発展と活性化に貢献。『南九州から世界に羽ばたくグローカルな研究拠点』をスローガンに、地域と大学は運命共同体として地域の特性を生かしたい」などと意欲を示した。