学校司書らがビブリオバトルに挑戦

ルール説明を受ける学校司書ら


ビブリオバトルを実践する学校司書ら

教育現場でも注目
奄美図書館

 奄美市名瀬古田町の県立奄美図書館(日髙京美館長)で15日、学校司書のためのビブリオバトル研修会が開かれた。市内の小中学校から13人の学校司書・巡回学校司書が集まり、ビブリオバトルに挑戦した。ビブリオバトルとは、おすすめの本を紹介し合うコミュニケーションゲーム。教育現場でも近年注目されている。

 同図書館の西村真美主査によると、「各学校で行われる読書週間のイベントとして何かできないか」というニーズがあり、教育現場で導入が進むビブリオバトルを取り上げることになったという。ビブリオバトルは同市名瀬の県立大島高校でも導入されている。

 ビブリオバトルの正式名称は「知的書評合戦 ビブリオバトル」。公式ホームページによると、ルールは以下の通り▽発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる▽順番に1人5分間で本を紹介する▽それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う▽全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。

 研修では最初に、同市学校教育課の入佐敏和さんが見本のパフォーマンスを披露。その後、4人ずつのグループに分かれてビブリオバトルを実践した。司書らは、おすすめの本を1冊ずつ持参して発表。児童らへの読み聞かせで好評の本、イラストが美しく児童らをひきつける本、幻想的な物語が思春期の生徒におすすめの本など、学校司書ならではの視点から多彩な本が紹介された。

 同市立朝日中学校司書の高地優子さんは「初めてビブリオバトルを経験した。『好きな本について伝える』『ほかの人の好きな本について聞く』ことが刺激になった。学校でも、読書が苦手な生徒のために導入したい」と話した。 

 入佐さんは「ビブリオバトルは国語の授業で導入されているケースもあるが、司書は授業の中にまでは参加していくことが難しい。これをきっかけに司書が読書指導をどんどん引っ張っていけるようになってほしい」と話した。
 

■記者もビブリオバトルに挑戦しました!

 書店でのビブリオバトルに参加した経験があり、今回は3回目の挑戦。紹介したのは、大正期の花魁を描いたノンフィクション『春駒日記』(森光子著)。5分という時間を十分に使い切って本の魅力をプレゼンする難しさを感じました。

 他の司書さんの紹介で気になったのは『家守綺譚』(梨木香歩著)。幻想的な物語をぜひ読みたくなりました。他の人のプレゼンを聞くことで、自分の世界がどんどん広がっていく感覚がありました。

 ぜひ多くの人に遊んでほしいゲームです。(佐々木菜々)