カクチョウランまたも被害

被害状況を確認する瀬戸内署員ら(宇検村提供写真)

被害にあったカクチョウラン(宇検村提供写真)

瀬戸内署パトロール強化方針
宇検村山中

 宇検村の山中で5月31日、大型の地上ラン・カクチョウランが引き抜かれるなどの被害があった。近隣住民からの通報で発覚した。群生していた個体群が葉や茎を切られて遺棄された状態。現場付近では5月2日にも同様の被害があった。被害状況を確認した瀬戸内警察署はパトロールを強化する方針。

 5月31日午後、近隣住民が被害を発見し宇検村に報告。1日午前、瀬戸内署員と奄美大島自然保護協議会のパトロール員が被害状況を確認した。瀬戸内署の生活安全刑事課・福永文明課長代理によると、少なくとも6株が引き抜かれた形跡があった。加えて、パトロール員の山下弘さんは「葉をちぎられたものが20~30株散らばっていた」と話す。

 瀬戸内署は被害について、盗掘かどうかなど背景を捜査中。山下さんは現場の状況をもとに「カクチョウランはより希少性が高いタイワンショウキランと形態が似ている。多くの葉をちぎり取って捨てている様子は、より希少なランを探していたかのように見える」と分析した。

 瀬戸内署の福永課長代理は「奄美には、ここにしかない希少な植物がある。それらがこれ以上荒らされないように、パトロールの強化および関係機関との情報共有の強化を行っていく」とした。