特産パッションを収穫

色づいたパッションフルーツを次々に収穫する生徒(瀬戸内町阿木名)

「仕事の大変さと楽しさ実感」
瀬戸内町 古仁屋高生が農業体験

 瀬戸内町の地域みらい留学生8人が13日、同町阿木名のパッションフルーツ(以下パッション)生産事業所で収穫作業を体験した。全員初めての農作業に戸惑いながらも精いっぱい取り組んだ。

 留学生は、関東や関西など島外から入学した古仁屋高校2年生。入寮する「紫雲寮」の農・漁業や福祉など職場体験プログラムの一環だ。

 今回は、旬を迎えた同町特産品「パッションフルーツ」収穫のため、合同会社奄美(里山正樹代表)のビニールハウスと集選果場を訪問し、収穫から選別まで出荷作業を1日体験した。

 ハウス内には、大人の背丈ほどに伸びたパッションの苗が並び、垂れ下がったツルからいくつもの実が成っていた。ハウスを管理する鎌田愛正さん(34)は「収穫のタイミングは色づきと大きさ」とアドバイス。生徒たちはペアになって作業に没頭。出来を確認しながら実を取り、受け取り役がカゴに並べた。

 そのほか別作業場では、収穫した実を一つ一つ丁寧に拭いてサイズ(M~2L)ごとに選別。贈答箱に入れる出荷作業も行った。

 東京都内から留学した竹元龍雅さんは「たくさんの実を取る時、農業の大変さと楽しさを実感した」。大阪府堺市出身の浦﨑愛翔=あいと=さんは「人気商品と聞いているので、大切に扱うように心掛けた」と話した。

 寮生をサポートする古仁屋高振興コーディネーターの高田康平さん(31)は「事業所の好意でプログラムが実現。在学中は生徒にできるだけ多くの体験をさせたい」とした上で、「巣立った生徒が、将来の選択肢の中に瀬戸内町を加えてくれたらうれしい」と語った。