伝統の節句飾りに健康願う

保護者や集落住民らも大勢参加した名音小のがやまき作り

大和村名音小 親子や年寄りと「がやまき作り」

 大和村の名音小学校(福和人校長、14人)の端午の節句の伝統行事「がやまき作り」が13日、同校多目的ホールであった。児童たちは、親子や集落のお年寄りたちと一緒にもち米を〝がや〟の葉で包みながら、一年間の健康や無病息災を願った。

 がやまきは、蒸したもち米をイネ科の植物・がやの葉でくるんで作る節句飾り。旧暦の5月5日に家の玄関や柱に魔除けとして供え、男の子の無病息災や健やかな成長を祈る。

 以前は奄美大島各地でも盛んに作られていたが戦時を境にいったんは消失。同校では2006年に集落の宮島吉盛さんの指導を仰いで復活させ、毎年続けている。

 現在、がやまきが残るのは同集落のみと言われる貴重な風習。保護者や高齢者も一緒に取り組むことで、集落ぐるみで保存・継承する狙いもある。

 この日は、児童とその家族、地元老人会「むつみ会」(勝島常雄会長)ら約50人が参加。勝島会長も「新型コロナウイルスの影響で自粛が続く中、みんな楽しみに待っていた」とがやまき作りに加わった。

 児童らはまず、がやまきの由縁や歴史、作り方などをスライドを使って発表。製作では、親指サイズのもち米をがやで巻いて、親子やお年寄りで協力しながら糸で三つの包みを束ねた。

 6年・重田好華さんはすでに手慣れたもので「一人でできた」と笑顔。「家族が健康で過ごせるように家の玄関に飾りたい」と話した。