名瀬中央青果のスモモ市況は入荷量の低迷から、高級果実並みの値段となっている(資料写真)
今期のスモモは記録的・歴史的不作となっているが、地元市場・名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)の取り扱いも低迷、入荷量は16日現在で約1・3㌧にとどまっている。量が少ないため値段は上昇、平均単価(キロ当たり、税込み)は1816円、高値では3千円超となり、高級果実並みだ。小売段階ではさらに値段が上昇することから、販売に苦慮する事態を招いている。
同青果のスモモ市況の推移をみると、前期2019年の入荷量は9・8㌧、平均単価は828円。31㌧の入荷量があった18年の平均単価は383円。平均単価を比較すると今期は前期の2・2倍、前々期比では4・7倍も高い。
同青果には、主力産地の大和村を中心に奄美大島の全域の生産者から持ち込みがあるが、今期の入荷が始まったのは5月後半から。ただし同月は約70㌔にとどまった。例年、6月に本格化し「6月の2週間が販売期間」とされているが、通常日量で約1㌧の入荷があるのに対し、今期は100~120㌔に低迷。約100㌔の日量となった今月8日には高値で3132円(キロ当たり、税込み)をつけた。高級果実のマンゴーの場合、平均単価は1800~2500円。今期のスモモの値段は平均単価でマンゴー並み、高値だとマンゴーを上回っている。
市場での競りで値段をつけた買受人が店頭などで販売すると、小売値の単価はさらにそれ以上に上昇する。「新年度に入り最初に出回る果実としてスモモは人気の商品。本土の親族などに送るため毎年購入しているという消費者がいるが、今年はあまりにも値段が高いとして苦情が寄せられることもあった。新型コロナウイルス感染症の影響で青果物の流通が低迷し、さらにスモモの入荷量が非常に少なく値段が高騰し販売面で苦慮している」と話す買受人もいる。
気象災害に加え、生産農家の高齢化などで栽培管理が改善できず、今後も記録的・歴史的不作が続くと、スモモの販売環境は厳しい状況が長期化しそう。