奄美市議会6月定例会は17日、一般質問を続開、奥輝人(自民)、竹山耕平(自民党奄美)、栄ヤスエ(公明)、川口幸義(自民)の4議員が登壇した。県が整備を進める名瀬港の新ターミナルビルについては竹山議員が質問。市は県に確認した内容として、「2019年度中に設計をまとめる予定だったが、港湾関係団体からの要望もあり、現在も検討中」などと説明、計画に遅れが出ていることを明らかにした。
市によると、新ターミナルビルは、国土交通省が進める名瀬港本港地区岸壁の直線化整備とあわせ、背後のふ頭再編計画の中で、県が整備する。ふ頭の利便性や安全性などに配慮するため、船舶会社や荷役会社など港湾関係者らと意見交換する『名瀬港新ターミナルビル設計検討連絡会』を2回開催。建設に向けた準備作業が進められているが、「関係団体からの様々な要望があった」ことなどから、当初予定より設計が遅れているという。
奄美市名瀬の名瀬港(本港地区)埋立地(マリンタウン地区)については、昨年度の1次公募で、全17区画中、6区画について、4事業者が土地譲受候補者に決定したものの、その後、1事業者が辞退したため、現在は3事業者5区画の契約にとどまっていることが報告された。新型コロナの影響もあり、今後の公募予定については未定となっており、事業主体の奄美開発公社理事長でもある朝山毅市長は「経済情勢なども勘案しながら、区画割や価格、公募要件などの調整を行っていきたい」などと答弁した。
マリンタウン地区では区画道路の側溝などの設置や整地工事が完了、現在は上下水道やガス管の敷設が進められており、今後アスファルト舗装工事などが行われる。
小中学校の夏休みの短縮などについては竹山、栄両議員が質問。要田憲雄教育長は、近く校長会などを開き、判断する考えを明らかにした。また、教育長としての見解を求められたことに対しては「授業の遅れを取り戻すためには、いくらかの期間は登校して授業を行う必要もある」との考えを示し、夏休み期間に授業を行った場合の給食の提供などについても協議を進めていることを明かした。
奥議員は新型コロナの農林水産業への影響について質問。市は名瀬漁協の4月の水揚げ量が前年比75%減となるなど、影響が出ていることを報告。農業同様、国の持続化給付金などの支援を受けられなかった個人事業主への支援を行っていく考えを示した。
75歳以上の高齢者を対象に、バスやタクシー、入浴施設などで利用できる5千円分の利用券を支給する「お達者ご長寿応援事業」については川口議員が質問。19年度の利用者は5431人で発行率は79・4%だった。地区ごとの発行率に差があることから、今後利用者の少ない住用、笠利地区での利用促進策などを検討する。