知の殿堂を探検

書庫を見学する参加者ら

読み聞かせを披露する参加者ら

本にコーティングを施す参加者ら

ボランティア養成講座・施設見学
奄美図書館

 奄美市名瀬古田町の県立奄美図書館は21日、ボランティア養成講座を開催した。参加者は普段見られないバックヤードに入って書庫などの施設を見学。その後2コースに分かれて、図書館ボランティアとして必要な技能を身に付けた。
 同館の蔵書は約23万4000冊。「支える・役立つ・つなぐ・育む」図書館をめざして、「おはなしの森」などの行事を積極的に行っている。職員らの活躍に加え、島民・学生らで構成される配架・整架ボランティアと読み聞かせボランティアが同館の運営を支えている。

 講座の前半では、参加者らは司書の案内で同館の施設を見学。学習室や、目の見えない人が利用できる対面朗読室などを見学した。また、書庫や本の修理室など、ふだんは見ることのできない場所も見学。奄美群島の日本復帰以前に米国から寄贈された本など、貴重な資料がずらりと並んだ本棚を前にため息を漏らした。

 後半では「本の配架・装備コース」と「読み聞かせコース」に分かれて講義を受け、実習を行った。「本の配架・装備コース」では、図書館で用いられる本の分類方法である日本十進分類法を学んだ。その後、各自持参した本をフィルムでフルカバーコーティングした。奄美高校3年生の丸田渉登(あゆと)さんは、漫画家・手塚治虫の名作「ルートヴィヒ」を持参。丸田さんの祖父が母にプレゼントした本だという。コーティングを施し、家族の思い出の本がよみがえった。

 「読み聞かせコース」では、読み聞かせが子どもに与える効果を学び、大型絵本やエプロンシアター(エプロンを使った人形劇)で実習した。恵川淳一さん(76)・恵美さん(77)は夫婦での参加。大型絵本『ともだちや』(内田麟太郎作)を使って息の合った読み聞かせを披露した。

 講座の最後には、各参加者に修了証が授与された。同講座を修了した人は同館のボランティアとして登録することができる。

記者も読み聞かせに挑戦しました!

 記者はエプロンシアター「3匹の山羊のがらがらどん」に挑戦。人形劇の背景に見立てたエプロンを身に付け、ポケットから人形をのぞかせて演じます。本来は1人で人形を動かしながら暗記したセリフを演じますが、今回は2人一組

で役割を分けて演じました。記者は人形を動かす役と、トロルのセリフを担当しました。

 実際に演じてみると、語りに合わせて人形を生き生きと動かすのは難しく、一人で何役もこなす司書やボランティアの方の技術の高さを感じました。アドリブでセリフを話し、会場から笑いが起こった時はうれしかったです。

(佐々木菜々)