農作業「受委託調整センター」設立

「受委託調整センター」を設立した徳之島さとうきび生産対策本部総会=30日、天城町

高齢化など背景に調整・効率化へ
徳之島きび生産対策本部

【徳之島】徳之島さとうきび生産対策本部(本部長・森田弘光天城町長)など同島の農政3団体の2020年度総会が30日、天城町役場であった。生産対策本部では、生産農家の高齢化などに伴う労働力不足対策として農作業受委託の調整・効率化を図る「徳之島さとうきび農作業受委託調整センター」の設立を承認。12月から「株出し」「中耕・培土」管理作業を皮切りに受託する。

 【徳之島さとうきび生産対策対策本部総会】県や3町農政、JA、糖業関連団体など代表が出席。森田本部長は「単収が伸びない原因にはイノシシ被害など色々あるが、高齢化による株出し回数増や肥培管理の遅れもある」と述べ、懸案となっていた受委託システムの待望設立に期待を示した。

 議事では、19年度事業実績・決算、20年度事業計画・収支予算、役員改選(新本部長に大久保明伊仙町長)、農作業受委託調整センター設立、規約改正などの全議案を承認。

 「徳之島さとうきび農作業受委託調整センター」は、高齢農家など作業委託者と受託可能者の間を調整するとともに、受委託に関する事務を一元的に引き受けることによる適期作業の実現と受委託業の効率化。同時に、キビ生産に関する各種データを集積し、データベース化(KSASシステム活用)することによる効率的なキビ振興計画など立案への寄与も目指すもの。

 同センターは生産対策本部(伊仙町)内に置き、各町に支部(糖業部会)を置く。受委託調整の実務業務は実績のある南西サービス(有)=天城町、南西糖業㈱子会社=に委託。7月から受託作業協力農家も募集。初年度は、キビ収穫が始まる12月から「株出し」「中耕・培土」作業から始め、単収増にもつなげる。

 【徳之島さとうきびデトラッシャー管理運営組合(森田組合長)総会】南西糖業㈱の2工場に設置のデトラッシャー(ハーベスタ―収穫原料精脱用システム)の19年度事業報告・収支決算、20年度収支予算、役員改選(大久保信新組合長など)を承認した。

 【徳之島さとうきび培養苗実用化推進機構(森田会長)総会】19年度メリクローン苗出荷実績は機器(滅菌装置)故障により計画比47・1%の5万6620本と甚大な影響があった一方、一芽苗は9万9730本に伸びた。20年度計画・収支予算、役員改選(大久保新会長など)を含め全議案を承認した。

 質疑では、「一般の苗に比べて発芽、分げつ、生育とも優れている。(希望)農家全てに行き渡るよう窓口を広げて欲しい」など要望もあった。