華やかな紬をまとった入校生ら
伝統まとい、ドラマ織りなす
紬技術専門学院入校式
大島紬の技術者を養成する「本場奄美大島紬技術専門学院」(牧雅彦校長)の入校式が1日、奄美市名瀬の産業技術支援センターであった。職工養成課程に5人が入校。生徒たちは晴れ晴れとした表情で式に臨み、産地の伝統技術継承を誓った。
学院は、大島紬反物を作る工程の機織り後継者の育成を目的に1980年に開校。今年度は女性5人が入校した。栄夏代指導員のもと、2年かけて大島紬の精巧な織り技術を学ぶ。織元に反物を買い取ってもらい、織賃をもらいながら学ぶことができる。
式では牧雅彦校長が「大島紬の複雑で精密な絣(かすり)の美しさは、世界でも類を見ない。先人の築いた技と心をさらに豊かに受け継いでほしい」と激励。
運営を支援する一般財団法人きものの森の矢嶋孝敏理事長は「手織り・泥染めといった大島紬の特色はかけがえのない文化。皆さんが織らなければお客さまのもとには届かない」と呼び掛けた。生徒らは上品な柄の大島紬をそれぞれに着こなし、校長から入校証書を手渡された。
入校生で最も若いのは内門玲奈さん(18)。鹿児島本土の高校に通っていた頃から着物に興味を持ち、環境の良さから同学院に入校を決めた。ツートンのヘアカラーにリボン柄の紬を合わせたモダンな装いで、笑顔で入校証書を受け取った。4月から始めた織りの勉強については「楽しい。細かい作業が好きなので織ることは苦にならない」と話し、「いずれは指導者として次世代に技術を引き継ぎたい」と将来の展望を語った。
同学院では随時入校生を募集中。生徒らは月~金曜日の午前8時半~午後5時まで学ぶ。問い合わせは本場奄美大島紬協同組合電話0997-52-3411まで。