奄美地方、各地で激しい雨

県道名瀬竜郷線の円=嘉渡間では土砂崩れが発生。10時間に渡って通行止めが続いた(1日午前9時15分ごろ)

4カ所で崩土、一時通行止めに
空の便に乱れ

 奄美地方で1日、停滞する前線に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で大気の状態が不安定となり、各地で激しい雨が降った。奄美大島では、法面が崩壊するなど各地で崩土が発生し、交通網に影響。同日午後6時現在、県道名瀬竜郷線の2カ所と同名瀬瀬戸内線の1カ所が復旧。同線・戸検集落=大和村間が全面通行止めとなっている。この崩土によるけが人や建物などの被害報告はない。

 崩土があったのは、県道名瀬竜郷線の円=嘉渡間(かがんばなトンネルから嘉渡方面へ約200㍍)、同線・有良=芦花部間(両集落間の海岸部)、県道名瀬瀬戸内線・小宿=大浜間(小宿郵便局から大浜方面へ約1・5㌔)、同線・宇検=今里間(宇検集落から大和村方面へ1㌔)の4カ所。1日午前7~9時ごろにかけて崩土が確認され、全線が一時全面通行止めとなった。

 同日午後6時現在、宇検=今里間を除く3カ所で復旧作業が進められ、全面通行が可能。宇検=今里間は、迂回路があるため2日以降、天候の回復を待って復旧作業を進める予定になっている。

 名瀬測候所によると、降り始め(30日午後6時)から1日午後4時までの降水量は、奄美市名瀬で153・0㍉、奄美市笠利で145・5㍉、天城で103・5㍉を観測。天城では67・5㍉、奄美市名瀬で61・0㍉の1時間に50㍉を超える非常に激しい雨も降った。

 この影響で空の便にも乱れが出た。JALグループでは同日午後6時現在、奄美=喜界、鹿児島=沖永良部、与論鹿児島など計12便が悪天候や雷の影響で欠航。鹿児島―喜界では引き返しも発生し、各地で遅延も相次いだ。

 気象庁によると2日の天気予報は、くもり昼過ぎから雨所により雷を伴い激しく降る。降水確率は、午前0時~正午が30%、それ以降は60%。2日にかけて落雷や突風に注意を呼び掛けている。